8.26.2021

[film] Jungle Cruise (2021)

8月22日、日曜日の夕方、二子玉川のシネコンで見ました。2Dだったがこれは3Dで見るべきだったかも。

ディズニーランドのアトラクションを映画化したもの、だという。東京ディズニーランドは30年以上前に一度だけ行ったことがあるのだが、なんで行ったのか誰と行ったのか何をやったのかまったく憶えていないので、これも「体験」したことがあるのかどうか思いだせないし、いまの時点で「ジャングル」を「クルーズ」することになーんの意義も見い出せない。でもなんか"The African Queen" (1951)みたいだし、Emily BluntもDwayne Johnsonも好きなので、見る。 産業としてのディズニーについては、どうのこうの言ってもしょうがないので、適当にやり過ごしていくしかない(そんな態度だからだめなのかも)。

1916年のロンドンで、Dr. Lily Houghton (Emily Blunt)が弟のMacGregor (Jack Whitehall)にRoyal Societyで演説をさせて、アマゾンの伝説の樹の花の研究がもたらす効能について熱く語るのだが相手にされなくて、でもその隙にLilyはその伝説にたどり着く鍵となる矢じりを収蔵品庫からなんとか盗みだして、追っ手を払ってMacGregorを連れてアマゾンに向かう。

アマゾンではボロ船でやらせたっぷりのいんちきツアーをやっている船長のFrank (Dwayne Johnson)をひっかけたのかひっかかったのか、彼とジャガーのProxima(かわいい)のボロ船をチャーターしてクルーズしていくことになり、出発の時には船主のNilo (Paul Giamatti)とも一悶着あって、ドイツの栄光のために、って同じ花を狙う王族Prince Joachim (Jesse Plemons)も潜水艦(どうやって来たんだろ? 海から?)で追っかけてくるし、ちっとも安泰じゃない。

もうひとつ、16世紀の征服者Aguirre (Édgar Ramírez)が不思議の花に執着しすぎてジャングルによってかけられた呪いの伝説も絡んできて、要するに近寄るとろくなことにならんぞ、って脅しも入ってくるのだがLilyは女性だからってなめんな & 学問なめんな、で突き進んで、やがて明らかになるFrankの正体(ラテン語だってわかる)とAguirreの亡霊たちと手を結んだJoachimたちが立ちはだかって…

インディ・ジョーンズふうの宝探しにマッチョ筋肉男子とフェミニストガリ勉女子の凸凹コンビの道中が絡むだけでじゅうぶん面白くなると思うのだが、ここに4世紀に渡る呪いとか第一次対戦の趨勢とかが加わって詰め込み過ぎてぐじゃぐじゃに、なりそうでなっていないかも。割とバランスよく纏まっているのではないかしら。

でも、これはディズニーだからしょうがないのか、あのふたりだからなのか、やはりロマンスは期待できないのだろうか。 互いに手動カメラで撮りあったりするシーンはあっても、Lilyが彼を好きだと叫んでも、ロック様とメアリーポピンズじゃ水と油になってしまうのか。難しいねえ。

彼らの横で一貫して女々しくじたばたロンドンっこであろうとするMacGregorくんがよくて、ゲイの香りぷんぷんで、Kensingtonに戻ったらもう二度とこんなとこ来ない! とかBoodle’s(ロンドンの社交クラブ)でランチしたい! とか叫んだり、たまんない。”The Mummy”の頃のBrendan Fraserにちょっと似ているようなとこも。

アトラクションに近いところだと、船が出ていくところの潜水艦も巻きこんだじたばたが面白くて、うまくやったらキートンの蒸気船みたいになれたのにー。滝に巻き込まれそうになるところはややあっさりめだし、ジャングルの奥に進んでから先の上下運動が激しい冥界巡りみたいなのはあんまし来なかったかも。 どうせならアクションコメディじゃなくて「地獄の黙示録」みたいにしちゃってもよかったのではないか、とか。

でも、おもしろいけど、最後にはこういうのを「アトラクション」として楽しんでしまおう、っていう植民地主義の目線そのものが、なんか。 あのラストとかも。 それ言ったらまるごと成立しなくなることはわかっているけど…  
 

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