21日、土曜日の昼間、がらがらのPicturehouse Central - 映画館で見ました。
作(共同脚本)、監督は”Mustang” (2015)の脚本を書いたAlice Winocourさん。音楽は坂本龍一さん。
Eva GreenとかMatt Dillonとかが出てくるのだがフランス映画で、主人公はフランス語を話して、別居中の元夫との会話はドイツ語で、訓練のシーンはロシア語で、Matt Dillonとのやりとりは英語になる。
ヨーロッパの国際宇宙機関みたいなところに所属するSarah (Eva Green)は、火星行きを目指すための1年間の宇宙ステーションへの滞在をする宇宙飛行士にフランス人女性として選ばれて、それは彼女の長年の夢だったのでとっても嬉しいのだが、気掛かりなのは一人娘で8歳のStella (Zélie Boulant-Lemesle)で、夫のThomas (Lars Eidinger)とは別居しているのでママにべったり、学校でもひとりでいることが多いらしい。
飛行士に選ばれた後にはロシアの施設での打ち上げに向けた長期の訓練に入るので、元夫が暮らすドイツに彼女と猫 - “Laika”っていうの - を送って、モスクワ郊外の訓練施設に旅立つ。 そこで彼女は一緒に宇宙に滞在することになるアメリカ人のMike (Matt Dillon)とロシア人のAnton (Aleksey Fateev)と落ちあって、映画はほぼこの施設での軍隊みたいに厳しい訓練と、その物理的な隔離を通して離れたり近寄ったり危うくなったりするSarahとStellaの母娘関係を中心に描く。
宇宙で滞在するには強靭な肉体と精神とチームワークが求められるので厳しい訓練は当たり前として、いろんなことを学び始めたStellaにとっては、ママとは長い間会えなくなる - ひょっとしたらずっと会えなくなってしまうかも知れない、そういう恐ろしい出来事が目の前にあり、でもこれがママの生涯の夢であることも理解しているので塞ぎこんでしまい、それがSarahにも痛いほどわかるので、頻繁に電話して話をしてケアをして、でもそれが訓練への集中力や結果にも影響するので、Mikeや他の関係者からはなにやってるんだ、になってしまう。
男女の差にあえて踏みこまないようにプログラムされている訓練には当然男性寄りの厳しさがあって、更衣室も一緒だったり、男性からの嫌味や圧 - こういう時のMatt Dillonうまい - も散々浴びせられて、これってふつうにきついそこらの職場と一緒だよな、って思うと、SarahとStellaの関係もそういうものに見えてくる。 もちろん日々の仕事での託児所送りと宇宙行きの使命を一緒にするな、かもしれないけど、子供からすればママがお買い物で出て行ってしまうだけでそのまま事故に遭って会えなくなったらどうしよう、になる不安と心配の深さ重さは変わらないのではないか。
訓練開始から3ヶ月経ったときと、打ち上げ直前にStellaはやってきてママと再会をするのだが、そこでのふたりのやりとり - 特に打ち上げ直前の最後の - がとってもよくて、この辺はこれまでの宇宙飛行士ものとはちょっと違う。これまでのって - ”Ad Astra” (2019)とかもろだけど - どちらかというと父親的な像とそのありようを中心に描いてきた気がする。
もちろん、それならこれ宇宙飛行士モノにする必要なかったんじゃ… かも知れないけど、でも宇宙に行くのってやっぱりすごいことだし、女性にはどんどん行ってもらうべきだと思うし。 なのでエンドロールでこれまでの女性宇宙飛行士全員 - かな? - とその子供達と一緒の写真が並べられていってほんわかする。
日本で公開されたら、こんなふうになっちゃうから女性の仕事と育児は(溜息).. の議論に寄ってしまうのかもしれないが、そういう無神経で愚鈍なバカをあぶり出して退治するためにも公開されるべき。
彼女たちが宇宙に行ってからの展開は”Gravity” (2013)のパート2として用意されていて、そこでMatt Dillonは宇宙の彼方にふっ飛ばされてしまう … ことを望む。
それにしても、Eva Greenさんのすばらしいこと。これまでも母親的なイメージの役が多かった気がするが、これはもろ全面にあふれかえる。 彼女にやられちゃう人が更に増えますように。絶対増えるから。
日本でも海外でもいろんなことが起こっていて、いろいろ言いたいことはあるのだが、とりあえずRecord Store Day 2020に行った。 今回はコロナの件でDistancingだし、三連休の初日だし、夕方からはオンラインでも販売するようなのでそんなには集まってこないじゃろ、って、だらだら7:30くらいに(開始は8:00)に行ったら甘かった。
こういう状況なので、並んでいるときに今回のリストの紙束と鉛筆が配られて欲しいのにチェックを入れる(並んでるときに退屈しないのはよかった)。店内に入るまでに約2時間、いつもの潮干狩り落穂拾いはなくて店内にも長い列があって、そこでいったんリストは回収されて、カウンターまで来ると名前を呼ばれてリストを見ながら担当の人が一枚一枚持ってきてくれるかたち。 その場で売り切れがわかるのはよいのだが、曲目とかジャケットのかんじとか、持ってこられて初めてわかるのがちょっとねえ(ふたつくらい要りません、て返したり)。
でも予想外のが売り切れてたり、しょうがないので夕方のオンラインに行ってみたらアクセス殺到でサーバーが死んでくれてぜんぜんだめで、でも最終的にはなんとかなったかも。まだ油断ならないが。
次は9月のおわりにまた。これ毎月やられたらいろいろ死ぬよね。
8.30.2020
[film] Proxima (2019)
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