すこし戻って、7日の金曜日の晩、アメリカのYouTubeで見ました。 New Yorker誌が紹介していたから。 このタイトルから頭に流れてくるのはJohn Cougar Mellencampの”Small Town”とBilly Joelの”Uptown Girl”のミックスなのだが、そんなのどうでもいいか。
これ日本では公開されていないの? とっても楽しめるのになー。
NY州の上の方の人口4000人くらいの小さな町 - Duck Creek(あひる河)に暮らすKimbell一家がいて、パパは厳格な判事で敬虔なクリスチャンで、娘のCindy (Jane Powell)は歌がうまくて教会で光に囲まれてきらきら歌ったりしている。
ある日、成金のぼんぼんのRick (Farley Granger)がスピード違反でお縄になって、パパは自分の町の人々を危険にさらすなんて許さん、と彼に30日の拘留を言い渡して、Rickは恋人でブロードウェイの売れっ子ダンサーLisa (Ann Miller)とか金持ちママとかに電話してなんとかしてよ、って圧力をかけたりするのだがパパの方は譲らない。
こうして町の拘置所に囲われて腐ってしまったRickだが、基本的に我儘の構ってちゃんなので、Cindyに目をつけて食事を作って貰ったり、一晩でよいのでママの誕生日に抜けさせてくれないか、って頼んで一緒に実家に行って - 実はLisaの方に会いに行ったりするのだが、その後にCindyと夜のNY - Nat King Coleが歌ってくれる - を楽しんだりしているうちにだんだん仲良くなっていって、その様子を見た町の雑貨屋の”Papa” (S. Z. Sakall)は、いやいやCindyはうちの息子のLudwig (Bobby Van)と結婚することになっていたのじゃ、って息子を焚きつけて、でもLudwigはずっとブロードウェイのスターになる夢をもっていて…
ストーリーはrom-comとしてもフックが弱すぎてエンディングも、え - これだけ? なのだが、本作の最大の魅力は - New Yorker誌でも言っていたけど - Busby Berkeleyによるダンスシーンの演出で、とにかくとんでもないの(ただ踊るのはLisaとLudwigで、真ん中のふたりじゃないところがまた.. )。でもとにかく特に、”Papa”にとっととCindyにプロポーズしてこい!(Rickに取られちまうぞ) って尻たたかれたLudwigがCindyのとこに行って、軽く「ねえ結婚してくれない?」って言ったら秒速でNOを貰って、「ありがとう! そうこなくちゃ!」って大喜びして(彼はどうしてもブロードウェイに行きたかったから)、そのまま自宅まで延々ぴょんぴょん飛び跳ねながら帰る"Jumping Song”のすさまじさ。ここのBobby Vanがすごいったらない。 この振り付け - というかぴょんぴょん跳ねて道路とか渡っていくだけ - ってGoldfrappの”Happiness” (2008)のPVの元ネタなのね。Goldfrappのもかわいくてよいけど、オリジナルは驚異的だから。
Lisaの方はブロードウェイのスターという設定なので、Busby Berkeleyお手のもののレビューショー(なんであんな発想ができるのかちっともわからない)をぶちかましてくれるのだが、やっぱり最後はLisaのとこに押しかけたLudwigがふたりして爆裂ダンス合戦をやるのを見たかったなー。
あと、Farley Grangerってどうしても『夜の人々』(1948) のイメージなので、強盗でもした後に懸命に逃げてきたんだと思った。 で、最後にはCindyのパパに撃ち殺されちゃうの…
美術館に少しづつ馴染んでいこうのシリーズで、National Galleyに行った。
“Titian: Love, Desire, Death”をもう一回(TitianとGuido Reniの”The Rape of Europa”の見比べとか)と、Lock Down中にぴかぴかのリノベが完了した19世紀絵画のRoom 32を。
https://www.nationalgallery.org.uk/stories/the-refurbishment-of-room-32
コレクションが日本に旅をしていたってびくともしないかんじ、すてき。
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