5.01.2018

[film] Avengers: Infinity War (2018)

29日、日曜日の夕方、Picturehouse Centralで見ました。3Dで。

既にいろんなとこでネタバレ禁だのどうの言われているようだがここまで来ると何がネタかよ、とか思うよね。何か書いてみたところでそれがどれくらい物語のコアを突いているのかいないのかちっともわからない、その状態で、それによってバレるなにかなんてどーってことない何かでしかないのではないか、とか。自分の頭を整理するために、整理なんてたぶんできなくてメモ書きになりそうだけど書いておく。分量が多いのですぐに忘れちゃいそうだし。

いちおう、誰もが言っているのがてんこ盛りのジェットコースターだということ。
“Captain America: Civil War” (2016)ですらじゅうぶんに盛ってあって辟易だったのに、今度のはあれの上を行く。でもあの状態をジェットコースターと呼ぶのはやや抵抗があって、だってアップダウンの果てにちゃんと戻ってこれているのかどうかわかんないんだもの。ロンドンでの映画終わった直後の反応はというと、しばしの沈黙(&おそらく目配せ)の後に、”HaHaHaha~”みたいな、英国人がわけわかんないものに遭遇したときに発する特徴的な笑いがざわざわって広がった。 これ、米国だと小声で4文字が飛び交うかんじなのかしら。

タイトルの”Infinity War”にはふたつの意味 - 決着がつかない、というのと終わらない、ていうの - があって、決着がつかないから終わらないのか、終わらないから決着がつかないのか、あれだけの強い変態共がうようよいるのに。で、これを終わらせたい - 終わらせるにはどうしたらよいのかについての考察とか解答例、みたいなものかもしれない。

“Civil War”があって、”Black Panther”があって、”Infinity War”がある。CivilはCivil(市民)間の戦争を描いて、”Black…”はTribe間の戦争を描いていて、”Infinity…”は無限のなんでもあり - 戦争を終わらせるための戦争、究極の戦争について描いた、と言えないだろうか。Avengers - 仇を討つものがいて、そこにGuardians - 守護者が入ってきて、あとはそれらをぜんぶ終わらせる奴がやってくる、と。

それを持つことで宇宙の全てを支配できる、そういうものがある、それは世界を創ったひとがそういうふうにしたからで、それが神話と呼ばれるやつで、*The Lord of the Rings*だと指輪だし、”Ready Player One”だと3つのタマゴだし、”Justice League”だと4つだかの箱だったし、”Star Wars”はモノではなくてForceと呼ばれる力とか気みたいなやつで、これはちょっと新しかったけど、とにかくそういうのがあって、それについてあれこれ言ってもしょうがないの。宇宙とか世界とかが本当にあるのだとしたらそれを成り立たせたり統御したりする物語やブツがあったっていいし。

で、こういう物語では大概、それを所有することでそれまで保たれてきた統制や秩序を自分の思うとおりにしたい奴が現れて、このMarvelの宇宙のばあい、それは6つのInfinity Stonesで、渦の中心にいるThanos (Josh Brolin) - マドレーヌだか鯛焼きの尻尾だかが顎についてる - はそれを全部集めて全宇宙を支配しようとしていてそれを阻止するものとの間で争奪戦になって、取りあげて思うままにしようとする方が悪で、守ろうとするほうが正義で、力の強いほうが勝つのだし、勝つためにそれを手にいれるのだし。

Thanosの論理は、これまで酷いことを随分繰り広げてきたし、けっか酷い状態が続いてきたけど、自分がこれを手に入れることでそれらをぜんぶ終わらせることができる、だからこれをやるのは正しいのだし、犠牲はでるけど平和のためなのだから安心しろって。

これってもろ今のTrumpとか歴代のファシスト共が喜んで使っている/使ってきた理屈だよね。ていうのをわかってやっているのだろうが、これで終わりなのか続くのか、いったいどこの土地の話なんだか、スリル満点。

Doctor Strangeから時間の石を取っちゃうなんてさー、時間をコントロールできちゃうって、なんでもありになっちゃうのに(→ 歴史修正主義)。 あと、Languageの石ってないのな。全宇宙でふつうに英語が通じているって、それでいいのか、そういうもんなのか、とか。

チームがだいたい3つに分かれていたのがおもしろかった。宇宙のどこかで策士の口達者たち – 鉄男、変医者、蜘蛛男、星クズ男爵のチームと、同じく宇宙のどこかで外道の獣野郎 - 神とかアライグマとか樹木とかのチームと、地球上 - Wakandaでの割とまともに愛とか語ったりする連中のチームと、たぶんそこには理由と必然があってああなって、ああいうことが起こった。

『帝国の逆襲』の終わり方に近い、ていう話もあるみたいだが、あれよかわけわかんないし、なにしろ時間がどうなるかわかんないのでSagaにはならないかもしれないし、続かなくても、破綻しちゃっても、どっちにしてもだってコントロールできないんだもの、て言えてしまう。そんなずっこけもまたMarvelの世界、でよいのか。 漫画なんだし。

無限と永遠を掲げるファシスト野郎といかに戦うのか、それもまた無限のなにかになっちゃうのか、ていうのが次のテーマになるのだろうが、あたまの中で転がしていたらなんとなく見えてきたかも。

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