4.26.2018

[film] Love, Simon (2018)

7日の土曜日の午後、Picturehouse Centralでみました。

これの少し前にBFIで毎年恒例のFlare: London LGBTQ+ Film Festivalていうイベントがあってなかなか盛況で(チケットなんか全然取れないの)、そこでもかかっていた1本。

アトランタの郊外に暮らす10代のSimon (Nick Robinson)がいて、両親(Josh Duhamel, Jennifer Garner)と妹と仲良く暮らしていて、幼馴染の2人- NickとLeah、少し後から仲良しになったAbbyといつも一緒に車で通学してて、学業も素行もなんの問題もない – Simon自身が語るところでは – でもひとつだけ、自分はゲイなんだ、と。 で、これをいつかはきちんとオープンにせねばと思うのだが、それにしてもなんで世の中の恋愛って男+女がデフォルトになってるんだ? とか根源的な問いをぶつぶつ呟いててかわいいの。 Simonはやがてメールコミュニティで知り合った自分はゲイであるという”blue”とメールのやりとりを始めて、だんだんに自分の視界が広がっていくのを感じて、彼はどういう人なんだろうか、てドキドキし始める。

物語は学園モノのふつうの手続き - 誰が誰をどうした切ったの貼ったの振られたのの挙句にAbbyへの恋に破れた奴のやっかみでSimonの恥かしメールと彼がゲイであることが大々的に暴かれて学校中にばら撒かれて、家族も含めてがーん、て大惨事の危機が訪れてどうなっちゃうのか、もう世界は終わっちゃうのか…

Simonの語り口はまるで”Ferris Bueller’s Day Off” (1986)のFerris - あんな自信たっぷりじゃないけど - のようだし、ラストはまるで”Never Been Kissed” (1999) のようだし、要は王道のRom-Comどまんなかで、なんでこれまでこういうのなかったのかしら、ていうくらい眩しくてまっすぐでキュートな青春映画になっていて、よいの。

友達にもいろんなのがいるけど最終的にはみんないい奴らで、両親もショックを受けながらも受け容れてくれて(父親とのシーンとか、すごくいい)、そんな恵まれた環境にあるのはなんといってもSimon、あんたがよいこだからだよ、って思う。 そんなのおめでたすぎるわ世の中は煮えくり地獄で溢れているのに、ていうのは簡単だし、そうなのかも知れないけど、でもこういう世界もありなのかもな、とか教えてくれたのは映画っていうあれ、だったのではなかったか。

“Call Me by Your Name”は問答無用のクラシックで、これを貶すひとを軽く軽蔑することができる。他方で”Love, Simon”は、ほんとうに危うくてたどたどしくて貶すことはとっても簡単(Bret Easton Ellisみたいに)なのだが、でもこの映画は無防備なSimonそのものだと思うので、味方になって、守ってあげなきゃ、ってそういうかんじにはなったかも。 中学高校で無料上映会すればいいのに、てまじで思うわ。

音楽はJack AntonoffとBleachersを中心にがんがんあっついのが流れて、これもどこまでも青くて素敵なの。

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