そういえば3月に見ていたアート関係のそのた。 書いていなかったので纏めておく。 たぶん時系列で。
March11
Sir John Soane's Museum + Robert Adam's London
ジョン・ゾーンではなくてジョン・ソーンズ博物館。 サー・ジョン・ソーンが自身のコレクションの容れ物とすべく設計して構築した自宅がそのまま博物館になっている。
むかしの言葉でいうともろビョーキだと思うし、タモリ倶楽部ですら収まりきれないスケールで、地下の真ん中に鎮座するでっかいエジプトの石棺に至っては墓どろぼー、バチあたり!としか言いようがないのだが、なんか悪趣味ではないかんじになっていてこれなら住めるかも住んでみたいかも、とか思ってしまった。(← つい住める住めないに話がいきがち)
このときは、建築家Robert Adamsの展示をやっていたが、今は"Marc Quinn: Drawn from Life"をやっている。 再訪必須。
あと、月初めの火曜日だけやっているキャンドルライトツアーも行きたい。(4月はだめだった)
Portrait of the Artist @ The Queen's Gallery, Buckingham Palace
宮殿のでっかいギャラリーでやっているやつで、思っていたよかぜんぜんおもしろかった。
画家たちの画家たちによる肖像画 - つまりはセルフィーが中心で、最近のだとLucian FreudとかDavid HockneyのiPad絵画まで、ものすごく幅広く節操なく集めているのだが、画家が自分を描くって、自分の力量がいっぱつで知れてしまうせいか、当然力が入ってフォトショップ修正の数百倍の粘着力でぐいぐい迫ってくる。 実物とは比べられないのでなんとも言いようがないのだが、みんながあたしはすごいんだから~ どうだ! ていう目力でこっちを見つめてきて、それがずっと並んでいるので少し疲れたかも。
March12:
Tate Modernでまだ十分に見ていなかったやつとかを。
Artist and Society
Joseph Beuysの結構おおきいスペースがあって、問答無用のオブジェが垂れたり散ったりしてたのと、Lorna Simpsonの一連の作品のとか、これだよこれやっぱり、みたいなのがいっぱいあった。
日本のそれなりの規模の美術館で、このテーマでどこまで展示できる? とか。
Wolfgang Tillmans: 2017
前回来た時はさーっと流した程度だったので、今回はもうすこしじっくりと。
オーディオの入ったプレイルームで音楽を流していて、そこでColourboxの曲が流れていて、Tillmansがずっと好きなんだって。 彼らがライブであまりやらなかった曲を選んでいます、だって。
なんかいいやつじゃん(殴)。
March 18
Emma Hamilton: Seduction and Celebrity
地下鉄広告で見かけたやつで、グリニッジのNational Maritime Museum (国立海洋博物館)でやっていた。
ネルソン提督の愛人として知られるEmma Hamiltonさんの波乱万丈の生涯を家政婦として働いていた時代から貴族の間で評判になって愛人玉突きをされてナポリに流れて、ハミルトン卿と結婚したけどネルソンと知り合って変てこな三角関係になって(スーザン・ソンタグの『火山に恋して』で描かれるのがこれ)、ネルソンが亡くなるとすっからかんになって寂しく消えてしまった。
絵画の展示となるとGeorge Romneyが描いた彼女のコスプレ肖像画集みたいのがほとんどで、あとはいろんな手紙とか彼女のパフォーマンス"Attitude"のデジタル再演程度なのだが、ここまでくっつきました - 離れましたのでんぐり返しが繰り返されていくのを見るとなんてタフな人生だったのでしょう、と感動する。 SNSがあったら炎上爆発と凍結とリボーンの離れ業を延々繰り返しているかのような。
でも全体としてはなぜ彼女があそこまで貴族を含めて多くのひとを惹きつけ魅了したのかがわかるような構成になっていてよかったかも。
日本だったら大河ドラマですでに10回くらいやられている、というか。
ネルソン提督って、イギリス人にとってはやっぱり特別なんだねえ。
Tunnel: The Archaeology of Corral
Maritime Museumから電車で少し行ったところにあるロンドン博物館の別館でやっていたこれも、見たいと思っていたのでついでに寄ってみる。
Crossrailていうロンドンを横断する地下鉄の新しい線が来年くらいに開通するそうで、これってすごい画期的事業らしい(2nd Ave Subwayみたいなもん?)のだが、それの工事現場を掘っていくなかで出てきた発掘品を並べているのと、実際のトンネル掘削の早送り動画(見てて飽きない)とか。
土器食器どころか8000年くらい昔の人骨とかざくざくいっぱい出てきたので見てみましょう。 ばちあたりとか言ってはいけません、って。(魔除けとかしたのかしら)
いまの地下鉄の路線図との対比で、この駅周辺からこれが出た、みたいのもいっぱいあるのだが、その土地のかんじをまだ十分に掴めていないところが歯痒い。
タモリがほしい、て少しだけおもった。
The Wallace Collection
見ておかなくちゃ、程度で行った。 Frick Collectionみたいなもんでしょ、とか。(殴)
行く前はフラゴナールの「ぶらんこ」くらいのイメージしかなくて、それ見ておけばいいか程度で(殴)、これ、よくよく見ると奇怪な絵であることがわかったのだが、それ以外にもこれはなに?みたいのがいっぱいあったので改めてきちんと追ってみたい。 ロココったらおそるべし。
March 19
Revolution: Russian Art 1917-1932
Royal Academy of Artsでの展示ふたつ。 1917年のロシア革命によって花開いた革命アートの全容とスターリンの圧制によりこれらが32年に潰されてしまうまで、絵画・彫刻・オブジェ・いろんなデザイン、広告、ポスター、映画(エイゼンシュテイン)などなどから全方位、革命並みの物量(でもないか)と破壊力で網羅している。
誰もがふつうに知っているKandinskyにChagall、MalevichにRodchenkoといったあたりはもちろん、Kuzma Petrov-Vodkinなんか、とってもよくてびっくりして彼のコーナーに浸っていた。
こういう展示でいっつも思うのは革命ていう国家の動きとアートていう(どちらかというと)個人の活動の相関で、今回のは割と個々のアートにスポットが当たっていた分、その総崩れぶりに謎がいっぱい溢れる。 最後のコーナーで、スターリンさんはスポーツをいっぱい振興しました、って。 正にいまの日本だよね。 ああきもちわる。
America after the Fall: Painting in the 1930s
同じくRAAでのもういっこ。 大恐慌時代のアメリカ絵画 - だれもが知っているシカゴ美術館の名物 - Grant Woodの"American Gothic" (1930) を中心にJackson Pollock, Georgia O’Keeffe, Edward Hopper, Thomas Hart Bentonなどなど。 展示は3部屋くらい、点数もあまりなくて、どの作家も1~2点、一番多いのがGrant Wood、くらいなので、ぼんやりしょんぼり暗いのばっかしなのだが、そうやって切り取られたこれらの断面が戦後にどう変わっていったのか、興味が向かうのはそっちで、それは大英博物館でいま開催中のもういっこのアメリカもの展示 - "The American Dream: pop to the present"に行けば見えてきたりするものがあるのかどうか。
まだあるけどいったん切っておく。
4.04.2017
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。