2日土曜日の午後、”The Danish Girl”のあと、新宿から銀座に移動してみました。
「人生は小説よりも奇なり」。 愛というのはなんてしぶとく変てこでしょうもない、みたいなのを続けて見る。
映画には小説なんて出てこないし、ここで言っている「小説」がなんなのかわかんないけど。
37年間一緒に暮らしてきた画家のBen (John Lithgow)と音楽教師のGeorge (Alfred Molina)は、同性婚が合法になったので仲間家族の祝福を貰って式を挙げて晴れて夫婦になるのだが、その直後にGeorgeの勤務先であるカトリック系のミッションスクールからは子供達への影響を考えるとちょっと、と言われてクビになってしまう。
この状態では暮らしているアパートの家賃も払えなくなってしまうので、BenはBrooklynの甥一家(Marisa Tomeiのママが素敵)のところに、Georgeは友人のゲイカップルのところに居候することにする。
せっかく一緒になれたと思ったのに … ていう別居の辛さと、彼らの、特にBenの存在が居候される一家の方に与えるいろんな迷惑とか、Georgeのとこでしょっちゅうあるパーティとか、それでも、それゆえにこそ強まる絆と、それぞれの老いと時間と。ホームドラマとしては割とどこにでもありそうなテーマなのだが。
Benには甥のとこにいる男の子Joeyと家に遊びにくる友達のことがちょっと気になって、その子をモデルに絵を描いてみたりするのだが、もちろんそれ以上のほうに転がるわけでもない。彼らふたりが学校でなんか問題を起こしたらしい、と聞いてもどうすることもできないし。
やがてGeorgeはパーティの絡みでたまたま知りあった男が長期不在で空けようとしているWest Villageのアパートをそのまま借り受けることができて(いいなー)、そこから先の省略を駆使して描かれる時間の経過/点景と前半でみっちりと描かれた彼らの絆/愛との対比が見事で、特にラストのほう、JoeyがGeorgeのアパートを訪れてから先、突然画面は青春映画のような瑞々しさで息を吹き返してマンハッタンの風となり光となって町に飛びだしていく。
いきなり眩しくなってびっくり。
この突然の転移とか蘇生のことを”Love Is Strange”と呼ぶのはたぶん正しい。
それを言うのはいったい誰なんだろう? ていうのを考えるのはなんか楽しい。
John LithgowとAlfred Molinaのむっちりしたふたりは、いかにもいそうなかんじで、たまんない。
Benの甥のおうちの会話で、今日マンハッタンでBusby Berkeleyの”The Gang's All Here”を見てきてさあ、て甥がいうとそれに応えてBenが主題歌を歌いだして楽しく合唱、ていうシーンがあって、いいなあー、Film Forumに行ったんだね、とかおもった。
4.24.2016
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