8.29.2014

[film] What If (2013)

戻ってきました。 この湿気は嫌味とか拷問とかー。

24日のごご、Chinese Theaterの横のシネコンでみました。日中は陽射しがすごくて出歩いていられないし。  場内はがらがら。

Wallace (Daniel Radcliffe)は、メディカルスクールをやめて、彼女にもふられて薄汚れて虚ろな目をしてぼろぼろで、呼ばれたパーティでイラストレーターをやっているChantry (Zoe Kazan)に出会う。 ちょっと惹かれるのだったが、彼女にはずっと同棲している彼 - Benがいて、そいつは国連で働くエリートで料理も語学もできるしどうしたって勝てそうにない。

でもお互いちょっとずつ、なんとなく意識したりしつつも、映画みたり食事したり買い物したり - お友達の域を超えない関係がずっと続いて、そのうちBenはダブリンに半年くらいの長期出張に出て不在となり、彼女にも台湾での仕事の機会が出てきてどうしたいんだよおまえ、になるの。

いまどき珍しいくらいプラトニックで、星空とかイラストとか夜の海辺とかいっぱい出てきて友情か恋愛かでじたばたつんつんするしょうもないラブコメで、しかも主人公達の横に超肉食系(同じパーティで出会ってすぐくっついてあっという間に子供ができて結婚)のAdam Driver+Mackenzie Davisを配置するとこも含めて、どこを切っても漫画みたいな構成と展開なのだが、なんかいい。

"Ruby Sparks" (2012)もそうだったが、それ以上にまんま夢見るお人形さん(でも30過ぎてるの)なZoe Kazanがすばらしいのと、魔法使いにはなれたのかもしれないがにんげんの医者にはなれなくてどっちにしても恋愛はだめだめのDaniel Radcliffeの暗い目が絶妙にはまっているのと、"Ruby Sparks"とか"(500) Days of Summer”とかにあった「オレにとって理想のー 」やそれに付随してくるであろう歪んだ邪念/悪意みたいのがなくて、すべては"What if ..”というたどたどしさのなかに留まって踏みこもうとしなくて、それはそれでじゅうぶん恋愛において正直で大切ななにかではあるはず、と。

そんなのをつまんねえ少女漫画、て唾棄するのはかんたんだ。 けど、トラウマも病気も障害もない殺傷もないし誰も死なない - 流血するのはBenを2階から突き落とすとこと、彼女をダブリンまで追っていったWallaceがBenにぶんなぐられて階段落ちするとこ、くらい -  そういうのを作りたかったのだろうし、そういうのを見たかったのだ、と言ったっていいじゃんか、と思った。

音楽はThe New Pornographers (祝新譜!)の A.C. Newmanさんで、これもいいんだねえ。

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