8.12.2014

[film] Nothing Sacred (1937)

8月2日と3日の土日は銚子で花火大会でした。
今年のあんず飴は2本。 それよかでろでろに暑くてしんだ。

3日の夕方に戻ってきて、なんか見ないと嫌かも我慢できないかも、とふと思い立ってシネマヴェーラで見ました。 そんなふうにふらっと見れるのがこの特集のよいところよね。 「無責任時代」

これ、どっかで見てたかもと思って後で調べたら、2011年暮れの「映画史上の名作6」で見ていたのだった。でもあのときはデジタルじゃなくてカラーの色味にちょっとがっかりした記憶があったのだが、今回のカラーはいかった。 Carole Lombardの唯一のテクニカラー作品。

冒頭、アフリカの国の大使として挨拶していたのがそこらの靴磨きのおっさんだったことがばれて死亡記事係に左遷されたWally (Fredric March)はもう一回チャンスを貰って田舎町でラジウム中毒で死にそうだというHazel (Carole Lombard)の取材にやってくる。 そこはいきなり膝に噛みついてくるガキとか変な人達ばかりがいるとこで、Hazelの主治医も飲んだくれでおかしくて、Hazelもぜんぜん死にそうじゃないの。

でもとりあえず彼女をNYに連れてきて、悲劇の主人公として盛りあげてみたら、それはそれは盛りあがって取り返しのつかないところ - 彼女はもう感動的にお亡くなりになるしかない - まで転がっていく、ていうスクリューボールコメディ、なの。

スクリューボール・コメディの醍醐味のひとつて、主人公達の認知・関知しないところで事態が勝手に進んでいってあららどうしましょう、になることなのだが、ここでのHazelのなんなのかしらねーみなさん、ていう超然とした態度はそれだけで十分おかしくて、更にそういう収拾つかない状態のなかでふたりの恋愛 - 説明不能な恋愛 - が勃発してしまうものだからこれってなんなの? になる。

最後にふたりが殴りあいするとこなんて、おかしいんだけど、ほんとうにおかしいんだけど、あとで考えてみるとあれってなんだったんだかよくわかんない。 べつにおかしいからいいけど。
これがあるので、大メディアの胡散臭さを嗤う、みたいな本来あるべきだった(と思われそうな)テーマも骨抜きされてしまって、しかしそれでも一向に構わないの。 

あと、「生きるべきか死ぬべきか」の「シュルツ!」のおじさん(Sig Ruman)が出ていた。
そういえば「生きるべきか死ぬべきか」みたいなところを軽々と嘲笑うふたりなのだった。

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