8.22.2014

[film] So This is Paris (1926)

やるきヌルもはなはだしい14日の木曜日の晩、シネマヴェーラの映画史上の名作から2本。

Road to Zanzibar (1941) -  「アフリカ珍道中」

見世物小屋でいんちきアクロバットみたいのをやっている二人組(Bing CrosbyとBob Hope)が、ちょっとへましてあたり一帯大火事にしてしまったので米国にいられなくなってアフリカに逃げたら女詐欺師ふたり組(Dorothy Lamour+1)にはまって、こんどはアフリカ大陸をぐるぐるまわる羽目になるの。
なんのために、なにが楽しくて、アフリカを彷徨ってどたばたしているのかあんまわかんなくて(だから珍道中)、でも二人は能天気で怖さ知らずでまったく気にしてなくて、コメディだからそれでよいのだろうが、この気にしなさ、てほんとうによいのか、って。
 
現地のひと達の扱いとか、PC的には相当ひどいし、すっぽんぽんでへーきでそこらの池に入っちゃうし、それしぬぞ、みたいに息をのむ瞬間が満載なの。これ前に映画史上の名作の7でやった ”Zamba" (1949)のときにも思ったなあ。 でもへらへら鼻歌でのりきっちゃうんだから、すごいったらすごい。

でもふたりの歌がうまくて楽しいから、とりあえずいいの。


So This is Paris (1926)  -  「陽気な巴里っ子」

初日のピアノ伴奏つきは見れなかったけど、サイレントで。
だってルビッチなんだもの。

ダンサーをやっている夫婦と、医者と有閑マダムをやっている夫婦 - どちらもぼんやりしててあんまし仲よくない - が道路をへだてたアパートにそれぞれ暮らしてて、マダムはハーレクインとか読んでふうって窓の外を見たらアラブ風の半裸ダンサー夫が見えてうっとりして、もともと浮気性でいいかげんな医者夫のほうはダンサー妻とは昔からの遊び仲間で再会したら盛りあがって、クラブで狂熱の一夜を過ごして、でも駐車違反でしょっぴかれて嘘がばれちゃって、もう至るところにいろんなボロが見えてどうしようもなくて、収拾する余地があるとは思えないのに最後にはなんとなく落着してしまうのでおかしいの。

1926年というのに、窓を隔てて飛びかうエロ光線がなんともいえないし、クラブで踊りまくるとこは低音がどすどす響いてくるようだし、とにかく巴里っ子は陽気で能天気でいいなあ、の気分になれるの。

アフリカもパリも遠い、あまりに遠い夏だったら。

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