3.24.2013

[film] The We and the I (2012)

17日の日曜日の昼間にIFC Centerで見ました。
シアター前には大量の親子連れがびっちり列を作っていて、なにかと思ったら"From Up On Poppy Hill"  -『コクリコ坂から』 - だった。 IFCは宮崎アニメのレトロスペクティヴをやった信者の聖地でもあるのでわからなくもないのだが、これ、NYの子供が見てわかる内容なのかしら?(見てないけど)。

Michel Gondryの新作で、ノリとしては"Dave Chappelle's Block Party" (2005) - これすき - に近い、とかレビューにはあったので、行ってみる。

Bronxの高校の年度末の最後の日(初夏)の午後3時頃、Bronxのどこかの街角から家路に向かうバスライン - Bx66 (調べたけど実在してない) にぎゅうぎゅうに乗りあわせた高校生の一団、彼らの数時間、を追った青春映画。たぶん。

混雑した車内で傍若無人に振るまうガキの集団に嫌な思いをしたことがあるひとは日本にも一杯いると思うが、ここのBronxとかBrooklynの連中のワイルドなことときたらアニマル並みにおっかなくて、そういうのを思い起こさせる、という点で見ていてあまり楽しいかんじはしない。Michel Gondryてお坊ちゃんそうだし、そういうとこに居合わせて不快になったこともないんだろうねえ。

つるんで悪さとか悪戯とかばっかりしている連中、ずっと下向いて俯いていたり、絵を描いてばかりいるような子にだって、それぞれの事情とか片思いとか物語はある、塊としての"The We"とそれがSplitしたところで現れてくる"The I"を掬い上げる、という点では青春映画の正当で、それを夏の始まり、学校の終り、夕陽に向かって走り続けるバスの上で実現しようとした、という点はとってもよいと思った。

けどね、あの普段ぎゃーぎゃーうるさい連中が、突然涙こぼしてしくしくとかしてみたところで、いまいち来ないんだよね。 その涙の訳、そこから先をくどくど追っかけないで、バスから降りたらはいさよーなら、にしたところはよいのだけど。

ただ、ゆっくり夕闇におちていくBronxの街中をひたすら走り続けるバス(午後3時からいったい何時間走ってるんだ? はあるけど)、を描いたとこは、ほんとうに素敵で、そこだけ、ね。 あとバスの運転手のおばさんのでっかい背中も。

音楽はYoung MCとかSlick Rickとか、軽快でかっこよくてたまんない。 連中が普段こういうの聴いているとは思えないけど。

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