20日の水曜日の8:30、BFIで見ました。 BFIはやっぱし避けて通れない。
今やっているMontgomery Clift特集からの1本。『去年の夏 突然に』。
上映前にかかったPasoliniの"The Gospel According to Matthew"の予告がぞくぞくするくらいかっこいい。
↓ここで見れます。
http://www.bfi.org.uk/pier-paolo-pasolini
原作は Tennessee Williamsで、映画用の脚本も Tennessee WilliamsとGore Vidalが書いていて、要は Tennessee Williamsの映画。 でもこれは、Joseph L. Mankiewiczの映画でもあるの。
州の精神病院で、お金持ちの婦人(Katharine Hepburn)が、頭のおかしくなった姪を黙らせたいのでロボトミー手術を施してほしい、と言ってくる。Montgomery Cliftの脳外科医はやや不審に思いつつ(だっておかしいのはどう見てもKatharineのほうだし)、姪(Elizabeth Taylor)のとこに言って話を聞いてみると彼女はそんなに変というわけでもなくて、ただ彼女ら二人とも、去年の夏突然に起こったある事件のとこでつっかえて拘っていて、それが婦人の息子の死に関係しているらしいことを知る。
全体のトーンは患者との間の謎解きを中心としたミステリーに近いのだが、部屋から部屋への移動とか、天井から椅子に座ってぐーんて降りてくるKatharine Hepburnとか、いろんな患者さんのゆらーんとした動きとか、映画的なおもしろさと緊張感に溢れていて、すばらしくおもしろかった。
そしてなんといっても去年の夏の出来事のフラッシュバックと、その瞬間をつんざくElizabeth Taylorの絶叫のすさまじいこと。
去年の夏、突然、わんわん鳴り続ける太鼓の音、まっしろの陽射し、これらすべてをふっとばして現在に垂直に楔を打ちこむ、強力な下剤のような、そんな強い強い叫び。 なにがどうなったらこの叫びをぶちまけるところまでいくのか?
3人の大俳優の演技の激突を期待しても、Montgomery Cliftは自身が患者さんみたいにぼんやりしているし、Katharine Hepburnは明らかに行き場を失って困っているかんじで、やはりElizabeth Taylorがすごくて、なんという女優さんなんだ、と今更ながらおもった。
そしてそういえば去年の夏、なにをしていたのかを殆ど思い出せない自分に絶叫したくなるのだった。
3.01.2013
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。