3.08.2013

[art] Manet: Portraying Life

関係ないけど、今日の粉はなに? 殺す気?

ロンドンの展覧会関係をまとめて(時系列)。

A Bigger Splash: Painting after Performance  -  Tate Modern

23日土曜日の午後、気を失った状態から立ちあがり目ざましに、と人混みでぐじゃぐじゃのBorough Marketを抜けて歩いてTate Modernまで行った。
目はさめたけど、それはたんにとっても寒かったから。
ほんとうはこれと、もうひとつの展示 - "Lichtenstein: A Retrospective"も見たかったのだが、こっちはオープンしたばかりで盛況で、今チケット買っても入場できるのは17:00から、と言われたので諦める。

わたしはHockneyの"A Bigger Splash" (1967)ていう絵が大好きで、最初に出会ったのは高校くらいだったと思うが、本物は見たことがなかった. 気がした。
のでまずこの機会にちゃんと見よう、と。

で、見た。思っていたよりずっと小さかった。なんてすてきな青とその飛沫。 67年のカリフォルニアの青と肌色と。

この展示のテーマは、「水しぶき」、を引き起こす/引き起こしたおおもとの人体とか、人体を使ったアートとか、そういうのかと思って、実際にポロックからはじまって、イヴ・クラインとかウォーホルとか、ボディアート一般みたいなとこに広がったかと思ったら、そのうち「環境」のようなとこにも延びていって、最後のほうの若手アーティストの展示のあたりになると確実に軸がぶれてしまっていたような。 でも、でっかい水しぶきが見れたからいいや、と。

Manet: Portraying Life - Royal Academy of Arts

日曜日の午後4時くらい。 ホテルに戻って会社の荷物を置き捨てている暇もなく、でっかい鞄を抱えてRoyal Academy of Artsに行って見ました。
肖像画に的を絞ったManetの特集。 点数はそんなにないが、彼はどうやって対象を見つめ、対象はどうやってそれに応え、彼を見つめ返し、そこで走った電流が絵筆の先に広がっていったのか。

ひとつひとつの絵を近くでじーっと見ると、見れば見るほどすごい。 なんであんなひょろひょろの線が、淡い黒の線が、あんなふうな表情として浮かんでくるのか - 浮かんでくるようなふうに見えるのか。この黒は、なんなのか。影でも闇でもない、前に置かれているような黒。
今回のメインのイメージになっている"Berthe Morisot with a Bouquet of Violets" (1872)の絵なんて、驚嘆する。
これと比べると、(例えば)Renoirの肖像画の、なんとわかりやすいことか(よいわるい、ではなくて)。 「印象」以前の、ひとの「印象」を構成する要素は一体なんなのか、みたいなところまで考えさせるいくつもの謎が。

あと、"Music in the Tuileries Gardens" (1862)の展示はこれ用にひと部屋あてがわれていて、この顔はどこの誰、が記されたシートを手に当時のセレブ図鑑を眺めることができるのだった。 
ここでみれます↓

http://www.royalacademy.org.uk/exhibitions/manet/events-and-resources/key-to-music-in-the-tuileries-gardens-1862,979,MA.html

描かれた彼らが向こうからこっちを眺めているのと同じように、我々は画布の向こう側の彼らを眺めるの。
これはカタログ買った。 ハードカバーのほう。













Valentino: Master of Couture -  Somerset House

日曜日の午後5時、Somerset Houseで見ました。
これだけは渡英前から行こうと決めてて、でも金曜の晩に籠城しながら念のためサイトを見てみたらびっくり、チケットは殆ど売り切れてて、空いているのは日曜の5:00pm - 5:15pm入場分のみだったの。 もちろんおお慌てで、捨てるの覚悟で取った。

ちょうどLondon Collectionのまっただなかで、入口に到達するまでの広場のとこはテントがあってきれいな男女がいっぱいで、その奥のビルの地下に潜ったところに入口はある。 2年くらい前に、Maison Martin Margielaの20周年記念展を見たのとおなじスペース。

会場はだいたい4つくらいに分かれていて、最初のコーナーが過去のショーの招待状とかプレス関係の資料をばーっと並べたもの、そこから階段を上がったとこがメインの"The Catwalk"。 30mくらいの結構狭い通路の両脇にマネキンが纏った過去の作品がざーっと(年代はランダム。マネキンの色で年代がわかる)並んでいて、その側の椅子のとこに、xx年、誰それが着用、とか書いてある。入口でもらった小冊子には、もう少し細かいデータがいっぱい(但し画像はなし)。 白と黒と赤、の泣く子も黙るゴージャスな幽霊たち - それを着たひとの名前と一緒にその服が立っていると、まさにそんなふうに見える。(夜になると動きだすの)

The Catwalkが終わったとこでまた階段を下りて、そこに白の怪獣みたいにばーんてひろがってあるのが、Princess Marie-Chantal of GreeceのWedding gownで、これはもう上から見ても、下におりて横からみても正面からみても、パーフェクト! て感嘆するしかなかった。
これまで見たいちばん素敵なWedding DressってV&AでみたVivianのだった気がするがあれを上回ったかも。

最後のコーナーには、リボンとかレースとかドレスのいろんな素材が標本箱みたいのに入ったのと、それと同じ平面上、それらを作っている映像が液晶画面で流れている。

それを抜けたら終わりで、おみあげものコーナーで、バッグとか香水とか売っているのだが、そこにくると雰囲気が途端におばさん臭いかんじになってしまうのが妙におかしかった。

そこを抜けて、夕暮れの橋を渡って向こう岸に渡ったらBFIがあったが、もう見るものなかったので、そのまま地下鉄に乗ってかえった。

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