3.25.2013

[film] Ginger & Rosa (2012)

17日の日曜日の晩、9:40くらいからAngelikaで見ました。
これ、米国では公開始まったばかり、本国英国ではもうDVDが出てる。日本は…

いきなり広島の原爆から始まるのでちょっとびっくり。
1945年の英国、同じ病院の隣のベッド同士で生まれ、幼なじみでずっと一緒に育ったGinger (Elle Fanning)とRosa(Alice Englert)のふたり、彼女たちの1962年、17歳。

まだビートルズもヌーヴェルヴァーグも来ていなくて核の脅威が迫っていて、ふたりはつるんでヒッチハイクして男の子と遊んだり、煙草吸ったり、アルコール試したり、反核の集会に出かけたり、Jazz聴いて、T.S.Eliot読んで。 Rosaは自由奔放で、GingerはRosaについていこうとしてあれこれ試したりするけどうまくいかなくて一人で詩を書いていたりするタイプ。 Rosaのパパは既にいなくて、Gingerのパパは作家でボヘミアンで、よいこのGingerはそんなパパを尊敬している。

映画はGingerの目線で推移していき、やがて親友Rosaとの、そして大好きなパパとの間の危機に加えてキューバ危機が立ち塞がって、Gingerの視界と世界は崩壊寸前になってしまう、というお話。

60年代初、英国のティーンの物語、というと"An Education" (2009)が思い起こされて、あれは年上の彼とのごたごたを通して成長するお話で、背後には抑圧的な父親との葛藤があった。こちらは年上ではなくずっと横にいた親友とのごたごたで、更に父親は抵抗勢力ではないところがより面倒くさいし、教育/成長、というテーマからはちょっと離れている。 彼女はなにも悪いことしていないのだし。

世界はどいつもこいつもなんで思うようにいかないのか、みんな核爆弾でふっとんじゃえ!というGingerの声にならない叫びの行方を静かに見守る、というか。

(例えば、The Beatlesがそういう少女達の叫びを世界に解き放った、というのはあるのかも)

"Super 8"や"We Bought a Zoo"でElle Fanningの砂糖菓子の甘さに萌えていた連中は、これを見てぶっとんでしまうことだろう。 女優としてとにかくすばらしいんだから。

これがデビュー作となるRosa役のAlice Englertさんもよいねえ。彼女、Jane Campionの娘なのね。  これの後の"Beautiful Creatures"も見ておけばよかった。

日本で公開されないのはあれ? 原発絡み?

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