4.26.2012

[music] Morrissey - Apr.24

Zeppがあるあの辺はできれば立ち入りたくないエリアで(Zeppも10年くらい行っていない)、しかも開始が7時だし、ものすごおーくだるいし、最終で恵比寿のが出たのでそっちにすべきだったのかもしれないが、もうチケットを買ってしまっていたのだった。 

この人のライブはもういいか、というかんじもしていた。
91年の初来日のに2回行って、97年のCentral ParkのSummerStageに行って、04年のApollo Theaterのに2回行っている。(キャンセルになったCarnegie Hallのもあった)

だいたい6年おきくらい、20年に渡ってこのひとを見ている(Smithからだと30年聴いている)のだが、今やこのひとは大英帝国の大スターで、むかしみたいな不謹慎破廉恥極まりない毛玉下司おかま野郎ではなくなってしまった。 だれもが彼のことを、Smithの頃も含めた彼の曲を大好きだ、愛してる、とおおっぴらに言える時代になってしまった。
それがいけないというのではない。 彼はすばらしい人で、詩人でシンガーで、ライブだって何回行っても魂をぶいぶい揺さぶってくれる。
でもね、なんかね、みんなが彼のことを、彼の歌をほんとにそんなに愛しているのなら、大切に歌っているのなら、なんで世の中はこんなに糞で腐れたまんまなのか、ひどくなっていくばかりなのか、ということなの。 

それこそが彼のかけた呪いなのだ、とか、それが彼の契った世界なのだ、とか、この人を見よ、とか、わけわかんないRO的なレトリックで盛りあがることも、若い頃だったらできたのかもしれないが、なんか虚しいばかりだ。

というわけで今回はチケット1枚しか取らなかった。 彼の頭の上にのっかった猫一匹分、というかんじよ。

ほぼ7時きっかりに、"How Soon Is Now"から。ストロボライトがんがんで、あれを受け付けられない目なのでずっと下向いてた。久々の再会なのに。 この曲って、自分のなかではストロボじゃないんだけど。闇のなかでゆらゆらなんだけど。

メンバーは"Assad is Shit"て大書きされた赤のTシャツでお揃い、大番頭のギターおじさんだけ緑のラメで女装してて、Alison Moyetかと思った。 Morrissey本人はずいぶんふっくらして、シルエットだけだとBill Murrayみたいな。 終始ご機嫌で、客席にマイクを渡し、彼への愛と忠誠を誓わせる。英語しゃべれるひとにしかマイク渡さない。うーんやらしいよねそういうとこ。

ほとんどが中~後期から最近のソロからだった、気がした。(ちゃんとチェックしてない)
このひとのライブは、わいわいしにくい最新のレパートリーを連続で流していって、飽きてきたころに昔のクラシックを出してわーっとアゲる、というのが基本で今回もそうだった。

いちばんいかったのは背後のスクリーンに屠殺前の畜獣たちを延々映しつつやった"Meat is Murder"かな。
ご機嫌だけど同時になかなか殺伐ともしていて、「シリアはもうどうしようもないな」「どうすることもできないんだ」「国連なんてぜんぜんだめだし」などなどつーんとシニカルに言っていた。それで本当に悲しんでいるんだなとおもった。

最後のほうの"Last Night I Dreamt…"から"Please,Please,Please…"のとこは、流れはよいのだが、"Please,Please,Please…"のアレンジがなあ。
このひとのバンドはロカビリーやろうがベースなので、アレンジとか言ってもしょうがないのだが、でもなあ。

これでアンコールが"There is a Light.."だったりしたら中指突っ立てて帰ろうと思ったのだが、"Still Ill"だったのでいいかあ、と。 こうして、またなんとなくやられてしまうのだった。



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