1.30.2024

[art] Women in Revolt ! Art and Activism in the UK 1970-1990

アート関連のをいくつか纏めて。アートは(映画もだけど)専門でもなんでもないし、きちんと確認している時間がいまあんまなくて、事実誤認などがいっぱいあるかも – のとこはごかんべんを。

1月13日、土曜日にTate Britainで見た展示など。Sarah Lucasのが終わりそうだったので。

Women in Revolt !  Art and Activism in the UK 1970-1990

展示のメインビジュアルで顔面大写しで叫んでいる女性、これはThe RaincoatsのGina Birchさんによる3分間のショート“Scream” (1977) からのもので、会場内のある一角ではこの彼女の叫び声がそのビデオと共にずっとリピートされている。

英国の女性たちが1970年から1990年にかけて、貧困、労働環境、女性差別、人種差別、等に如何に声をあげてどんなふうに戦ってきたのかをチラシ、ポスター、報道、アート(パフォーマンス)等、包括的に展示していて、まずはその物量に圧倒される。記録したりアーカイブしていた側の苦労もそうだが、それ以上に女性たちの、ひとりの女性であろうとするだけでのしかかってくるあれこれへの怒りの強さと深さに。それはサフラジェットの頃からずっと、なのだろうし、それは男性中心の支配やそこで設計された制度や無意識的ななにか、がどれだけ深くしぶとく根を張って生き残っているのか、の裏返しでもある。

あと、Cosey Fanni TuttiさんがTG加入前のCOUMでやっていたパフォーマンスの映像記録とか、知っているけど見たことなかったのが多く、これがあれだったのかー、など。

時代的にはもろに直撃されていた方なので、自分の持っている7inch - Girls at Our Best!の”Going Nowhere Fast” (1980)とかいろんなレコードや写真集なども並んでいた。展示を記念したCompilation 12inchも販売している(けど、ほぼ持っているのばかりだったので買わず)。カタログはすばらしく充実しているので買ったほうがよいかも。

なんでこの20年間に区切った展示なのか、についてはいろいろあるのだろうけど、「パンクだから」で、こいつはいまだにぜったい有効なんだから、でよいと思う。

Sarah Lucas - Happy Gas

YBAのひとりとされてきた彫刻家の個展。本人がタバコを吸ったりバナナを食べたりしているポートレート写真が壁にでっかく並べられ、床にはでっかいサンドイッチとか半切りにされた車とか、どこかぐんにゃりと柔らかそうな彫刻作品が置かれている。Claes Oldenburgのおめでたくない英国版、というか。なんで男性器をテーマにするのか、については、「自分は持っていないから」と。

Ethel Walker

Tateに行ったら常設展示も必ず見ること。ひとつでもきっとぜったいなんか素敵な発見があるからー。
Ethel Walker (1861-1951)はエジンバラ生まれの英国の画家で肖像画がいくつか。Vanessa Bellを描いた肖像画がとてもよかった。


RE/SISTERS - A Lens on Gender and Ecology

1月14日、日曜日にBarbican Art Galleryで見た展示。クロージングの日だった。

ジェンダーとエコロジー? をテーマとした写真 - 事故や自然/人為災害の、プロテストの、動画、オブジェ、パフォーマンス、インタビュー等がいっぱい。これらって別個の「問題」ではないのか? と最初は思ってしまうのだが見ていくうちに、例えば女性差別と環境破壊、共通の視点で括って共闘できそうな箇所が沢山あることに気づかされ、目を見開かれる。どちらも男社会のやっちまえのノリと利害で勝手に決めて進められて、少数派を無視した強引な侵犯ができて、許されてしまって、それによる付随した差別や更なる破壊が常態化して、結果として必要とされるケア、についてまで。 知っている範囲だとFrancesca Woodmanの写真やBarbara Hammerのフィルムもあった。いまこれらを、ここに立ち向かわないでなにがアートやねん、という意思と勢い。 そしてこの暫く後で映画 – “The End We Start From” (2023)を見たので余計にー。


Guerrilla Girls

1月25日、木曜日の晩、Tate Modernでのトーク・イベント。この日は自分のとこの小引越しで、大小のガラガラ4つを車で運びこんで、事前と事後の運び入れも含めてどうにかした後で、へろへろのパワーゼロだったのだが、すばらしくおもしろくあっという間で、いろいろほっとして救われた。

40年に渡って活動を続け世界で約60人のメンバーがいるとされる彼女たちのなかから中核のふたり - Frida KahloとKäthe Kollwitzがゴリラのマスクを被って現れて、お話しをする。ホストはギャラリーの側で長年彼女たちの活動を見て支援してきて、こないだTate ModernのDirectorを退いたばかりのFrances Morrisさん。背後にはスライドで彼女たちの「作品」が流れて、Tateの売店も彼女たちに乗っ取られた形でいろんなグッズを売っている。

美術界にはびこる/はびこっていたセクシズムやレイシズムを具体的な数字と広告宣伝のビジュアルでもってもしもーし? これこれ? そこのおっさん? ってでっかく訴える彼女たちの手法は極めてクリアでわかりやすくて、突きつけられた白人男性側は肩をすくめるしかなく - つまり無敵で。

トークの後には客席からのQ&Aがあり、質問した人はバナナを1本貰える(バナナ10本がなくなったら終わり)。

活動の初期にはなかったSNSの手法は自分たちのやり方に馴染んでてやりやすく、これからも活用していきたいと思っている他方で、世の中はこんなにも動こうとしない頭のかたいバカばっかしというのもあぶり出され、パレスチナがあんなことになっているのになにができるんだろう、ってなりません? という問いにもぜんぜん落ち着いて、冷静にやってみることよ、と。アートは政治そのものだから、って(拍手)。

あと、Tateでの女性アーティストの展示の数(指標)については? と聞かれたFrancesさんは、うちは、50:50だったと(拍手)。なんでここではそんなことができたのでしょう? と問われると、わたしがDirectorだったから。だから女性がパワーを持つことは大事なのよ、ってさらりと。かっこいいなー。

終わってサイン会があったのでサイン貰った。隣のバーで続けて飲み会もあったようなのだが、もう限界だったので帰った。

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