5.17.2020

[film] Secrets (1933)

10日、日曜日の昼間にCriterion Channelで見ました。 日曜昼間のクラシック鑑賞。邦題は『秘密』(以外にあろうか?)。

Frank Borzageの監督作で、1924年に同監督で制作されたサイレント(主演はNorma Talmadge)のリメイク。主演のMary Pickford自身がプロデュースもしている。

東海岸の裕福な銀行家の娘のMary (Mary Pickford)は両親によって英国の貴族と結婚させられそうで、でもそいつがとっても薄らバカっぽかったからあれは嫌だ、って彼女に好意を寄せていた丁稚のJohn Carlton (Leslie Howard)と一緒になりたい、っていうと父親は当然激怒してJohnをクビにして、お別れに来たJohnは西に行って稼いでくるからそれまで待っていてほしい、とMaryに告げると、彼女は待てないあたしも一緒に行く! って馬車に乗って旅立つの。(道中のふたりが本当に幸せそうでねえ)

やがてカリフォルニアの原っぱに家を構えて下男のSunshineと家畜と赤ん坊を得て、でもJohnとSunshineが外出しているときにならず者たちが家にやってきて家畜を持って行っちゃうの。Maryからこれを聞いたJohnは仕返しに出ていって連中の何人かをやっつけて、するとまたその仕返しで連中が家を襲撃してきて、なんとか撃退するのだが、その最中に具合が悪かった赤ん坊は亡くなってしまい、ふたりは悲しみに暮れるの。

時は流れて、ふたりの間には子供が4人できて、Johnは州知事に立候補して立派で幸せそうなのだが、選挙のためのパーティーの場に見るからにって女性が現れて、あたしはJohnの愛人だJohnと結婚させないと選挙に不利な情報を拡散するぞ、って脅してくるの。 Maryはあらお好きにどうぞ、って言うのだがJohnは土下座してごめんなさいして、Maryは許してやるけど過去の交際関係をぜんぶあたしにぶちまけろって。なんか調子を狂わされた愛人側は関係を公表してしまうのだが、選挙はJohnの勝ちで、影響なくてよかったね、と。

更に時は流れて、上院議員としてワシントンD.C.に長いことお勤めしたJohnはまだ定年前だけどカリフォルニアに帰るぞ、って宣言する。 既に大きくなっている子供達はなんで? って言うのだが、これまでに積みあげてきたいろんな秘密を噛みしめる時間がいるんだよ、ってふたりは笑いながら車に乗って出ていっちゃうの。

お話はこんなふうに紙芝居みたいにとんとん進んでいって、なんか軽いし泣かされることもないよね、って思っていたら最後のショットでやられて、じーんとして、更にじわじわくる。走馬灯のように重ねて回して盛るんじゃなくて、たったのひとつで。 憎いったらない。 「秘密」っていうのは暴かれなければいけない不穏ななにか、ではなくて、なんでこのふたりはこんなに楽しそうに幸せそうに笑っているんだろう? っていう問いのなかにあるやつなの。

火の玉のように強くて堂々として負けないMary Pickfordと、出会った頃、蜂に目の周りを刺されて自転車から転げ落ちたりちょっと間抜けで飄々としたLeslie Howardの組み合わせが素敵でねえ。

脚本はFrances Marionさんで、Criterion Channelでは彼女の書いた15本の特集が始まった。たまたま見ていた他のも彼女ので、どれも当たりだしすばらしそうなので、順番に見ていくのが楽しみだわ。


ロックダウン段階的解除にむけたガイドラインが出て最初の日曜日、公園に行ってみるとやっぱり人は増えていて、家族連れも含めてみんなわいわいシートを敷いて転がったり散歩したり楽しそうだった。でも犬の倍くらいいるガキ共がわーわーうるさかったのかリスさんが出てきてくれないのがかなしかった。

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