10.07.2019

[film] Good Posture (2019)

5日の土曜日の午後、”Joker”を見る前にCurzonのBloomsburyで見ました。

こっちの方が規模は小さくてもよっぽどNY - Brooklyn映画、だわ。 英国女優のDolly Wellsさんの監督デビュー作。

冒頭、Lilian (Grace Van Patten)は2年間同居していた彼のアパートを喧嘩して出ていくところで 、でも少しお金がある父親はパリで恋人と遊んでいて電話にも出てくれず、家族の友人で作家のJulia Price (Emily Mortimer)のタウンハウスの一室に転がりこむ。 Juliaは作家としては有名なのだが殆ど自室に籠りっきりの変なひとで、食事も彼女の部屋のドアの外に置いておけばよい、と。この彼女のタウンハウスの下の方には犬を散歩させる係のGeorge (Timm Sharp)が住んでいて、dog runのある公園とかで彼女の相談相手になってくれる。

そうしているうち、LilianのノートにJuliaからと思われる変な落書きや書きこみがされるようになり、Lilianも負けじと返事を書いておいたりして、たどたどしいメッセージのやり取りが始まる。

そんなある日、通りでばったり会ったEx-恋人への見栄はりから、Juliaについてのドキュメンタリーを撮っている、とウソを言ったら戻るに戻れなくなり、カメラを持っていたり撮影の経験がある人(みんな変人)と会ってみたりしつつ準備らしきものを進めていく。

そういうのと並行して、制作途上のドキュメンタリーの一部なのか、いきなりZadie Smithさんが本人として登場して、作家Juliaについての絶賛持ちあげコメントをもっともらしく述べ、それがJonathan Ames(本人) - 最初にJuliaの作品を読んだとき、オースターの「孤独の発明」以来の傑作だと思った - とか更には Martin Amis(本人)へとリレーしていく。 へんなの。

“Good Posture”というのはJuliaの本のタイトルでLilianの部屋に置いたあったそれには、Lilianの母と小さい頃のLilianのことも少し書かれているらしい。ある日そこに挟みこまれていた小さい頃のLilianと母の写真..

ドキュメンタリーの件はバカな(自称)共同制作者がJuliaを呆れさせておじゃんになり、パリから戻ってきた父親は恋人のことしか頭になく、いろいろ行き詰ってどうしようもなくなったLilianはどこに行こうとするのだろうかー。

これまで何度も描かれてきた気がするBrooklyn界隈 – この作品はClinton Hillのあたり? – で、べつに孤独ではないし孤独をおそれてもいないのだが、植木とお話をしたり落ちつかず落ちつけずとっちらかって明日はどっちだ/どうする状態で、でもなんとかひとりで生きていこうとする女性のお話で、身を寄せる先のJuliaのとこも変だし、まともな大人はdog walkerの彼くらいなのだが、でも最後はこんなもんよね、くらいで気持ちよく終わる。

あとそれと、秋から冬へ、そして春になるBrooklynの四季が描かれているからよいの。
あの辺のタウンハウス、いいなー。”The Intern” (2015)に出てきた物件にちょっと似ている。

音楽はすこしだけ。 最初のほうでThe Breedersの”Bang On”のイントロが不機嫌そうに鳴っていたりする。

Zadie Smithその他作家の登場以上に、Georgeの部屋に貼ってあった松戸市のごみ分別ポスター(なんの変哲もない)がすごく謎として残った。

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