12.04.2018

[television] The Young Ones (1982-84)

11月24日土曜日の午後、BFIのComedy Genius特集で見ました。
映画ではなくて80年代の英国のTVのSitcomで、Q&Aも含めると210分のやつだったが、ぜんぜん知らなかったしお勉強のために行ってみようか、と。

会場はBFIのいちばんでっかいところで、Sold Outはしていなかったみたいだがほぼいっぱい、同年代にしか見えない熱のこもった怪しそうな老人たちで埋まっていて、The Clashとかのオールドパンクががんがん流れている。えらくなごめる。

上映前にBFIのひとが出てきて、後の時代になって”Game Changer”と呼ばれる作品がある、先週BFIで紹介した”I Love Lucy”は米国SitcomのGame Changerだったが、英国の場合、まさにこの”The Young Ones”がそれにあたるのである、とかなんとか。

BBC2で2シーズン(82年と84年)、6 x 2の計12エピソードが放映されて、今回は最初の3エピソード - "Demolition", “Oil”, “Boring” – を続けて上映して、休憩のあとに関係者のQ&A。

同じアパートをシェアして暮らしている4人のぽんこつ大学生 + 時々変な大家が顔を出す。4人は外見もろパンク(でもTシャツはメタルとかRushとか)でネジが外れて凶暴な医学生Vyvyan (Adrian Edmondson)、アナーキストの観念パンクでいっつも怒ってじだんだ踏んでる社会学徒のRick (Rik Mayall)、長髪のヒッピーでおっとり平和主義だけど自殺することばかり考えているNeil (Nigel Planer)、おしゃべり頭からっぽヤッピーふうでスタイル命のMike (Christopher Ryan)、ここに国籍不詳でがみがみうるさいスキンヘッドの大家Balowski (Alexei Sayle)が絡んでくる。 VyvyanとRickはいつもしょうもない小競り合いばかりしてて、Neilはそのとばっちりで酷いめにあって自殺しようかな、とか言っている。あとはアパートに暮らすネズミとかVyvyanのペットのハムスターなどがマペットというほどちゃんとしてない、適度に動いて喋るぬいぐるみみたいのが出てきて、住民に虐殺されたりぶっとばされたりしている。

ふつうのSitcomにある冒頭でなにか問題とか事件が起こって、それがエピソードの終わりに解決してよかったね、みたいなよく知るスタイルではなくて、止まらない喧嘩やおしゃべりの延長で物が飛んだり割れたり壁が抜けたり水が溢れたり器物や建物の破壊行為が連鎖して収拾がつかなくなり、それがどうしたよ、これからどうすんだおら、みたいにぷつりと終わる。更に彼らが見ているTVのコメディーショーがそのまま挿入されてきたり、リビングやパブでバンドが演奏しているのがそのまま流れて、そのバンドと主人公たちがやりあったりする。今回見た回に出てきたのはNine Below Zero(しってる)、Radical Posture (しらない)、Madness (!) – 主人公たちが行ったパブで"House of Fun"を演奏してるの。 他のエピソードに出てきたのはDexys Midnight Runners, Rip Rig + Panic, Motörhead, The Damned などだと。 えーいいなーすごいなー、としか言いようがないわ。

みんなのお料理係のNeilが料理をひっくり返したり鍋や皿が飛んだり、天井からなんか落ちてきて全壊したり、小学生の頃にドリフのネタで食べ物を粗末にしたり物を壊したりするのはいけないことなのでマネしないように、って散々親とかPTAから言われてきたやってはいけませんネタがよりダイナミックに遠慮なくどかどか展開されている、しかもそこに(ぬいぐるみだけど)動物虐待まで加わって、めちゃくちゃ乱暴でアナーキーで、こんなのGame ChangerというよりGame Disruptorだよね、って。しかもそれを天下のBBCがやっていたって。 ふつうにびっくりした。

85年にはアメリカに渡ってMTVで放映されたりアメリカ版も製作されたりしたようだが、思いつくところでいうと”Beavis and Butt-Head”の実写版、みたいな。それくらいバカ一直線で容赦のないかんじ。

上映後のQ&AにはプロデューサーのPaul Jackson、ライターのLise Mayer、Neil役のNigel Planer、大家役のAlexei Sayleが並んだ。

やはり一番聞きたいところはよくBBCがこんなのにGoを出したよね何故? というところだったが、当時BBCは若者向けの番組を作れないかって検討していて、丁度Channel Fourがもうじき若者向けのを始めると聞いて焦り始めて、そこに準備していた我々の企画を見せたらすぐにできるならやってみろ、になったと。 ただ内容自体はスタッフの間に新しいドラマをやってみたいという熱が相当あってテストもいっぱいしていたからそれなりの自信はあったのだ、と。

80年代初の英国って、音楽に関してはものすごくいろんな思い入れがあるので、こういうのもあったのね、と知って新鮮で、でもどんな人達が楽しみに見ていたのかしら?  とは思った。この頃って(日本だけど)TVとか全く見ていなかったので、話を聞くだけでおもしろいわ。

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