3.12.2015

[film] Mauprat (1926)

7日の土曜日、日仏(じゃない、何回いったら...)の「カイエ・デュ・シネマ週間」で見ました。
前半のBruno Dumontは出張で見れなくて、これはなんとしても、だった。
恵比寿映像祭(17時なんて行けるわけないじゃん)でも神代辰巳でもなく、こっちだったの。

原作はジョルジュ・サンドの37年の同名教養小説(読んでない)で、そういえばぜんぜん関係ないけど、ジョルジュと言えば、ここで1月にやった「ジミーとジョルジュを巡って」の特集で見た『異郷生活者たち』 - “The Exiles” (1961) と『光あれ』 - “Let There Be Light” (1946) の2本はすばらしかったの。 書く時間さえあればなー。

貴族のお嬢様のEdmée (Sandra Milovanoff)が道に迷って盗賊にさらわれて連中のお城(実は苗字がおなじの分家本家)に幽閉されて、そしたらその一味にいたBernard (Nino Constantini)ていう若者が寄ってきて目をじっとのぞきこんでいきなり「君が好きだ」ていうの。(あ、英語字幕のサイレントなの。ねんのため)

で、お嬢様は城から抜け出すために彼に擦りよって、救いの軍が攻めてきたどさくさで一緒に外に出て実家に戻るのだが、戻ってみると彼女には婚約者がいて、突然彼に冷たくなって、でも彼はめげずに犬のように寄ってくるので彼女は揺れ始めて、この野蛮なガキを教育してよいこに育ててやろう、とか思うの。 ここから先は少女漫画展開 - 原作小説の邦題 - 『モープラ(男を変えた至上の愛)』、他のヴァリエーションとしては『モープラ(愛は道と共に)』とか - そのままで、なかなか盛りあがるのだった。

同じMaupratていう家名を持つ、異なる境遇に置かれたふたりのそれぞれの立場が上になったり下になったり、愛の名のもとにめまぐるしく変転していくので目が離せないのと、それらの合間合間に 空からぱたんと落ちてくる鳥とか風に揺らぐ木とかのショットがいちいちやたらかっこよくて、実験映画のようで、画面のつくりとテンションでいうとこれは確かに実験としか言いようがなくて、でもエモの力強さもあって、なにこれ、なのだった。

あと、Bernardの顔、特にじっと見つめる目がとっても強くて印象に残るのと、でもEdméeはずっと仏頂面でぼよんてしてて、 Bernardがなんであんなに追い回すのかよくわからないの。 それと城の坊主みたいな役で目つきのやばいおじさんが出てきて、それがLuis Buñuelだったり。

これが1926年て ...

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。