なんの問題もなく帰国してしまったので、とってもつまんない。
着いた日の午後3時過ぎ、Union SquareのRegalで見ました。
前回ここに来たときには"The Interview”のでっかい看板があったのに、もうどこもやってないし、”Dumb and Dumber To” だってぜんぜんやっていやしないしもおー。
これ、日本公開が6月とか聞いて、例によってふざけんじゃねえよ!(それになんだよあの頭わるそうな邦題! 例によって) で見ることにしたのと、着陸直後の一番眠くなる時間帯にこういうどんぱちものを見ておくと、少なくとも眠くはならないので時間を有効に使えますね、というのと。
ひょっとしたらネタバレしているのかもしれない。 けど、そんないうならとっとと公開することだな、て言ってやる。
前作の終わりに明らかになった反乱軍の全容と帝国側に捕獲されてしまったPeetaの運命やいかに、の続きで、もうHunger Gameみたいな象徴的な国家イベントによる封じ込めは機能しなくなっていて、映画で描かれる世界、支配するものとされるものの攻防のすべてがHunber Gameそのもの - 見つけたらぶっころせ - になっていて、その荒廃ぶりときたらあまりに今の世界と地続きなので、なかなかうんざりさせられてすばらしい。
そして、しかし、その世界を彷徨うKatnissときたらほぼすっぴんのような真っ白顔で髪ぼうぼうで、おおよそ英雄とか女傑とかいうかんじではなくて、ただ震え慄きながら目の前の廃墟や焼死体を睨みつづけているばかり、という。 その態度が反戦とか厭戦を煽ることもなく、おっかなくてだれも触れることができない場所でひとりでむくれて怒っている。 それは“Winter's Bone” (2010)で父親を探す彼女にとても近い。
今回もダム爆破、みたいな、前回の雷神どーん、に匹敵するカタルシスもないことはないのだが、どこまで行っても苦く澱んでいて出口が見えない。 Hunger Gameのステージに張られる見えない境界 - 逃げようのない柵 - がDistrictを超えてそこらじゅうに拡がっているかんじ。
この荒れ野に野良猫いっぴき、の構図が見事で、これだけで何時間でも見ていられる。
Jennifer Lawrence、やっぱしおそるべしとしか言いようがない。
そして、次作では金の代紋 - 黄金のMockingjayがキングギドラに巨大化してすべてを焼き払ってくれることを祈る。 やっちまえー。
それにしても、Katnissのぼそぼそしたあの唄はなんなのか。そしてそれを継いだかのようにラストに流れるLordeの恨み節も。 Billie HolidayかNina Simoneか、みたいな重力に抗いつつ地を這っていく。
それにしても、反乱軍のリーダーがJulianne Mooreで参謀みたいなとこにPhilip Seymour Hoffman + Woody Harrelsonて、なんかすごい。 変質者とか変態ばっかしじゃないか、とか。
最後にPSHへの追悼メッセージが出るのだが、この映画でのPSHはやや軽め、薄めにそこにいて、なんかしんみりした。
2.10.2015
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