3日の火曜日の凍える晩9時からQuad Cinemaで見ました。 こないだここに来たのはGus Van Santの”Restless” (2011)のときだった。 見に来ていたのは自分をいれてもふたり。
2009年のPhilip Rothの同名小説(読んでない)の映画化権をAl Pacinoが買って、Buck Henryが脚色、監督はBarry Levinson、というどこから見ても加齢臭ぷーん、の老人達による老人のための映画。
舞台俳優のSimon (Al Pacino)は老いてステージでもぼろぼろで大怪我してリハビリ施設に入れられて、自宅に戻ったある日、友人の俳優夫婦の娘でレスビアンのPegeen (Greta Gerwig)が押しかけてきて一緒に暮らし始める。
自分はぜんぜんおかしくないと思いこんでいる風狂偏屈老人とやはり変な、でも確信犯のレスビアン娘(平気で自分の彼女を連れこんだり)の同居生活はところどころおかしくてやがて哀しきで、復帰できそうなくらいまで回復したSimonは「リア王」のオープニングまでこぎつけるのだが、やっぱし…
他にもリハビリ施設で知り合った夫を殺したくてたまらない女とか、Pegeenの親(Dianne Wiest, Dan Hedaya)との喧嘩(この色狂い!きーっ)とか、おもしろいエピソードもあるのだが、なんか笑えなくてしんどく見えてしまうのはなんでなのかしら。
やっぱしAl Pacinoがあまりに巧すぎというか、周囲から隔絶したオーラを放ってしまうのでお手上げなの。 突出した(変な臭み込みの)存在感でもってAl Pacinoが自ら演じるAl Pacinoのおはなし、としか思えなくて、そのAl Pacinoの着ぐるみみたいのから目を離せなくなるのがきつい。 最後にSimonはステージ上で自殺してしまうのだが、観客はそれを迫真の演技と思ってわーわー喝采する、そのなんともいえない気持ちわるさがそのままこっちにもくる。
(最近の仲代達矢にもそういうのを感じてしまうのだが)
見にきた理由は勿論Greta Gerwigさんだったのだが、最近の”Lola Versus” 〜 “Frances Ha”の彷徨う風来娘から、今回のは”Greenberg” (2010)の変な男にぶつかってくる変な娘の線で、でも変人相手ならBen Stillerくらいまででよかったかも。 Al Pacinoとの激突はなんというか… でもあれならどんな娘がぶつかっても厳しかったのでは。
でもふっくら丸くなってて幸せそうでしたわ。
映画でSimonが復帰作として演じるのは「リア王」なのだが、原作では” Long Day's Journey into Night” なのかー。 そっちもあるなあ。
2.14.2015
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