ロンドンのお話に戻ります。21日、日曜日の晩に見たやつ。
ロンドンに行ったら、最低一回はBFIにお参りをして、あそこの本屋で買い物をして映画を見る、というのを掟化している。
本屋さんではBFIのScreen Guides "100 Silent Films"とFilm Comment誌(表紙:Lindsay Lohan)とSight & Sound誌(表紙:Greta Gerwig)を買った。
今回やっていた特集は、ヘルツォークとインド映画と「ローマの休日」とかで、どれもなんかちがう、だったのだが、Jean Grémillon特集、もやっていて、これのうちの1本だけ、この晩に見ることができた。 邦題は『この空は君のもの』。 英語題は"The Woman Who Dared"。
フランスの片田舎で暮らしている家族 - 妻と夫と子供ふたりにおばあちゃん - がいて、飛行場建設のために町に引っ越すことになって、その引越しのじたばたから始まって、車の整備工場をやっている父親も母親も腕と働きがよいので、もっとでっかくやらないかと誘われてて、そんなある日、飛行場にできた飛行クラブのお披露目飛行で飛行機の整備をした父親は、女性飛行機乗りとその整備に夢中になっちゃって、街場で営業のバイトをやっている母親はむくれてふたりの仲は最悪になるのだが、自分も飛行機乗ってみたらうきーあたしもやってみたい! になって、自分達で飛行機を作ろう!女性の連続飛行の記録に挑戦しよう! てなるの。
ふたりの子供がいてこつこつ地道に堅実にやってきた夫婦が突然全てを賭けた飛行機狂いになってしまうとか、そんな簡単に記録を狙える飛行機乗りになれてしまうものなのかとか、よくわかんないところもあるのだが、危なっかしく上下に揺れながらもふたりの幸せの行方をカメラはしっかりと追っていて、すばらしい。 ずっとピアノのレッスンをやっててコンセルヴァトワールに行かせるべし、と言われた娘のピアノは飛行機のために売られちゃってかわいそうなのだが、パパとママが幸せになったのだからきっとよいことがあるよ。
というかんじで中味はほんのりあったかいのだが、冒頭とラストには隊列をなしてゆらゆら歌う孤児院の子供たちの影がしんみりと映って、それもまたよかったの。
7.30.2013
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