7.31.2013

[art] David Bowie is

まだロンドン。

20日の夕方にV&Aに行った時点で、これのチケット、土日分はぜんぶ売り切れ、と貼り紙がしてあった。 もう会期終わりに近いのに、と衝撃を受けつつも引き返すわけにはいかないので、窓口のひとに明日は何時から並べばいいの? と聞いてみたら9時くらいからかも、というので朝8:30に行ったら前から2番目だった。 でもそのあと、オープンの10時迄にはありえないような行列ができていたので、結果的にはいかったかも。

展示の入口のところで、ヘッドホン付のデバイス(たしかシーメンス製だった?)を渡されて、これをOnにした状態で会場をまわれ、と。
それぞれの展示物から垂れ流されている電波を拾う、それは音楽だったり語りだったり当時のいろんな音源だったり、ちょっと古めのマルチメディアふう。

Bowieの生い立ちからデビューから直近までのキャリア全般まるごと、遠くない将来世界のどこかにできるであろうDavid Bowie記念館を先取りしたような内容で、衣装にグラフィックはもちろん、ライブで彼が拭った口紅つきのティッシュとか、そんなのも含めてDavid Bowieのすべてにどっぷり浸かることができる。
そしてそれは、David Bowie was... はなく、あくまで現在形の is なのである、と。

Bowieは好きだけどこういう浸かり方はあんまし得意ではないので早く出ようと思ったのだが、展示の前で曲が流れてくるとつい聴いてしまったり見てしまったりするので全然進めず、困りながらも場内を1時間以上うろうろしてしまった。 同じようにヘッドホンを外そうか外すまいか頭に手をかけた状態で困った顔で彷徨っているおばさんとかがいっぱいいた。 わかるわかる。

展示の終りのところの大きなスペースで過去のライブ映像を4面ででかでか映しているところがあって、これ、向かいあう画面にちゃんと反応してライブ音源も切替わるの。
後頭部に目がついているひとはちょっと困るかも。

映画部屋、というのもあって、「戦メリ」とか"Absolute Beginners"とか"Labyrinth"とかの抜粋映像が流れていた。 当時、「戦メリ」はふつうに見ていたけど、あとの2本は見ていなかったねえ。

あとはベルリン3部作部屋。 あの音をつくったEMSのシンセ(90年にイーノから貰ったって)が置いてあって、こんな小さいんだー、とか。

あらためて、Aladdin Saneまでの彼は、ほんとに宇宙人だったんだ、と今見ても改めておもった。
新譜も、そりゃ悪くはなかったけど、もう宇宙人が作ったあれではないんだよね。
で、これだけぎんぎんのヴィジュアルや衣装がてんこ盛りでも、出たあとでいつまでもあたまに残っていたのは彼の高い声、低い声、叫び声、孤独な声、歌う声、だったの。 そういうのが残った、という点ではとてもよい展示だったような。

おみあげコーナーでは、カタログはやめて、ポストカードにした。
ほんとはTerry O'Neillによる"David Bowie and Elizabeth Taylor" (1974)のプリント, £1,680がちょっとほしかったなー。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。