時系列がやや前後してしまいますが、書きやすいやつから。
水曜日の晩、Beaconで。ここでの2日間の後のほう。 米国に発つ前にチケットは確保しておいた。
1階のオーケストラ席で、Ticketmasterの手数料入れると$100を超えてた。うーむ。
前座なしの8:00開始ということだったので出かけるのに少し慌ててばたばたする。(実際にはじまったのは8:15頃)
場内に入る前に通りの向かいのFairwayに入ってなごんでいた。ここのローストチキン、ほんとに安くておいしいんだよ。(そしたら翌日、Fairwayのネズミがニュースになってた。そんなのいるに決まっているし、別にいたっていいじゃねえか)
席についてしばらくしたら、横にいた若者があわあわ騒ぎだしたのでその方角をみたら通路のとこにPaul Simonさんがいた。やっぱし見に来るよねえ。
開始前の音楽はなしで、ずっと鳥の声がちゅんちゅん鳴ってた。
すると突然アナウンスが入り、「あーあー、ハロー、こちらDavid Byrne。 もうじきはじまるこのライブ、写真はいくらでも撮っていいからね。 でもiPadで写真を撮るのはやめとこう、あれ振り回すとみんなの迷惑になるからね、よろしくー」とあの素っ頓狂な声が場内に響き渡る。 場内喝采。
ステージ左奥にドラムス、右奥にキーボード。あとは正装したブラスが8人。
当然、"Love This Giant"の一曲目から入るのだが、あぜんとするくらいに音が切れてて、かっこいいの。 でっかいバスドラの連打にブラスが絡む、これだけ、こんなにシンプルなのに鳥肌がたつ。
David Byrneさんはいつもの白スーツにヘッドマイクなので、勝手に自在に動き回り、Annie Clarkさんはタイトなドレスに、当然ギターを抱えて、しかし彼女もくるくるよく動く。
彼のほうはDavid Byrneの着ぐるみを着たひとが踊っているようだし、彼女のほうも操り人形のようにかくかく回ってて、ブラス隊も曲毎にぜんぶ配列に隊列、ステップや行進、エンディングの影(ブレーメンの音楽隊!)まで緻密に練られていて、とてもアルバム1枚のために寄せ集められたものとは思えないウェルメイドな素敵なショーだった。
(きっと彼らを天井裏で操っているのが"Giant"なのだろう)
それにしても、Annie Clarkさんがギターを抱えて歌っている地点目がけて、ステージ左手からByrneさんを含む全員がじりじりと寄っていく、それだけでなんであんなにスリリングで興奮させられてしまうのか。
中盤で“This Must Be the Place (Naïve Melody)”が入って、これはやはり盛り上がる。
David Byrne体操もフルでごきげん。
当然、St.Vincentの曲もやるのだが、例えば“Cheerleader”とか、来日したときのライブの、部室のドアをばんばん叩いているかのような密室的な緊張感もよかったが、今回のライブの夕日に向かって叫ぶようなやけくその開放感もすばらしいの。
このふたりの相性は申し分なくよくて、どちらもロックをやるぜ、というきんきんしたところがなく、メタフォーク的な場所からロック寄りのアンサンブルを使ってみる、それをパフォーマンスとしていかに愉快に提示するか、そういうことにずっと意識的だったからこその、この完成度なのね、と思いました。
どれくらい練習したのかしらんが、ショーとして完璧に練り上げられた構成と流れだったので、日によっての異同はおそらくなくて、アンコールは2回。 時間で1時間40分くらい。
1回目は彼女の"Cruel"に彼の“Burning Down the House”、2回目は彼女の"The Party"に彼の"Road to Nowhere"。
"Burning Down the House"の熱狂は(誰もが想像できるであろう)すさまじさだったが、その前の"Cruel"での、テルミンふたりあやとりが最高におかしかった。 あれでTV出たらぜったい人気者になれるよ。
そして"Road to Nowhere"は、ブラス隊がずうっとステージ上を列になって行進していくのだった。 ずうっとまわっていてほしかったのにー。
9.30.2012
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