"Ruby Sparks"が終わったのが2:48くらい、これ1本見ただけで帰る - これだけで往復$70 - というのはもったいない気がしたので、横の部屋のどれかに行ってみよう、と思って、時間割をみたら2:50のこれがあったので、フロアをつーっと横切って入ってみたら、客は自分しかいなかった。
怒られたらお金はらってごめんなさいしよう、と思ってそのままそーっと座った。
オープニングとエンディングにThe Whoの"Baba O'riley"が流れるので、それだけでいい(断言)。
マンハッタンと自転車のお話し。
マンハッタンが恋しいよう、て椅子をぎゅーっとしながら見る。
マンハッタンを東西南北にびゅんびゅんぶっとばすメッセンジャーのJoseph Gordon-Levittさんがある日、コロンビア大学(たぶん)の娘さんからこの封筒を7時までにチャイナタウンのある場所にいる女性に渡してほしい、ぜったいに手渡しで、と頼まれるの。
その封筒をめぐって、勤務中のばくちに失敗してやばいことになったNYPDの刑事(- "Take Shelter"のMichael Shannon)とメッセンジャーがマンハッタン中を追っかけっこする。 他にNYPDの自転車野郎とか、メッセンジャー仲間が絡んで騒ぎが膨らんでいく。
でもそんな大騒ぎもマンハッタンの慢性的な渋滞のやかましさからすると、どうってことないかんじの。
でもだからこそ、点と点を確実に結ぶメッセンジャーがあそこには必要で、ほんとの生命線として機能したりする。
アクション映画だし、コピーは"RUN LIKE HELL"だったりするのだが、殴り合いとか銃とか痛そうなシーンは殆ど出てこない。 ものすごいスピードで人と車の間をぬって走り回る自転車の動き、すっとんで彼方に消えていくメッセンジャーの背中がすべてで、見ててぜんぜん飽きない。
マンハッタンの俯瞰図上でポイントされる起点Aと着点B、そこでルートが決まった瞬間に始まるタイムレース。 その瞬間から複数のいろんな人生がそのルート上を流れ始めて、それはもうほとんどパニック映画のような怒涛の強さと勢いでもって迫ってくる。 マンハッタンのノイズの洪水、その大波をぬってチェーンとタイヤでサーフィンをしているような。
中国マフィアの黒幕が絡んでいて、それが町の見えないところから見えるところに突然力となって現れるその様はジョニー・トーの映画みたいだった。 あそこまで暴力的ではないのだが、人々が人力でじたばたしつつ決着に向けてだんごで転がっていく面白さとか。
Joseph Gordon-Levittさんはたまに痛い目にあいながらもいつものように涼しい顔して乗り越えてしまう。
その軽さが、自転車の走りの軽快さと見事に合っていて、かっこいいったら。
あそこまで自転車乗りが似合う俳優さん、他にだれがいるだろうか?
サイコな悪刑事を演じるぎょろ目のMichael Shannonさんもすばらし。
"Take Shelter"よりも更に狂って迫ってくるのでえらくおっかないのだが、いかにもそこらにいそうな。
これって例えばかつて、Willem Dafoeが担っていたポジションだねえ。
音楽は久々に聞いた気がするDavid Sardyさんで、なかなかいかった。
これが終って口笛吹いて外に出て(おこられなかった)、タクシーを探そうと思ったがこれっぽっちも寄ってこなくて、30分くらいふらふら立ち尽くして、ようやく捕まってホテルに戻り、他の買い物にも行ってみた。
のだが、周りになんもないの。 でっかいショッピングモールはあるのだが、あれってぜんぜん嬉しくない。だいたいさあ、Macy'sとNordstromとJCPennyを一箇所に並べて、いったいなにが楽しいのだろうか? 1ブロックごとにマガジンスタンドもDuane Readeもないなんて、そんなの町じゃない!
さらに、Barnes & Nobleにも行ってみたのだが、だだっぴろいだけで、ほんとになんもねえの。
買ったのは、Molly Ringwaldさんの小説くらいでしたわ。
9.01.2012
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