まだシアトル行く前に見て、書いてないのがいっぱいあるのだが、どうしよ。
これもそんな1本で、これは25日に見たやつなのだが、一応書いておこう。『ヴァージニア』。
売れないファンタジー作家(Val Kilmer ... Nicholas Cageじゃなくてよかった)が自分の新作をもって行商ツアーに出たら、そこは7面の狂った時計台がある変な街で、いかれたシェリフ(Bruce Dern)とか、エドガー・アラン・ポーの亡霊とか、女の子の亡霊(Elle Fanning ... 彼女がV - Virginia)とか、封印されていた過去の殺人事件に遭遇する、そんなお話し。
"Tetro"(2009)の、モノクロ/カラー(現在と過去)の周到に準備された人物と時間の配置の揺るぎなさと比べて、こんどのはどうか、というと闇夜の照明は安っぽい服飾ブランドのCMみたいだし、プロットもCoppolaの雑誌"All-Story"の創作コンペに応募してきた習作みたいにわざとらしいとこ - 特にポーが登場するとことか - があるし、夢と現の境界とか、その記号だの象徴だのもみえみえだし、これがCoppolaなの? ようなとこがてんこもり。
あと、ゴシックホラーだと思われるのに、決定的な闇の怖さに欠けるとか。
でもそれでも、昼の世界と闇の(夢の)世界の行き来の果てに、ずるずると向こう側に引きずりこまれていく(or こちら側が...)、その力の強さ、どっちつかずの磁場に幻惑されていく道程、みたいのはすごくはっきりと見えて、その中間地帯で主人公は目が眩んだり、耳鳴りがしたり、誰かに殴られたりで、地面に崩れ落ちてばかりなの。
人工的な光と影、浮き上がった世界で幽霊のように流れていく人々 - しかし、しっかりとそこに留まる情念 - というと、"One from the Heart"(1982) あたりの ー
あとは、全体にすごく軽く、多少雑でもいいからえい、って作ってしまったような勢いがあって、それがよいの。
湖のほとりにたむろしているゴスの親玉、Flamingoがバイクでがーっと行くとこなんて素敵だわ。
Elle Fanningさんは、"Super8"に続いて魔物演技が見られるのだが、あまりにナチュラルでオーガニックなので、すごいのかすごくないのだかわかんないや。
あんま関係ないのだが、なんでか"Willow"(1988)が見たくなった。
9.07.2012
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。