この日の2本目はBertolucci特集から"The Conformist "。 『暗殺の森』、ですね。
このMOMAのBertolucci特集、ずうっと、どの作品でも売り切れが出てStand-byの列ができているのでびっくりする。 ある意味ぜったい外れないしね。
以前みたときは、もっと厳格で硬質な作品だと思っていたが、そんなでもないようにおもった。
監督本人の『暗殺のオペラ』と同じ夢を共有している作品、という発言のせいもあるのか。
『暗殺のオペラ』はひとつの場所、ひとつの村でかつて起こった暗殺のはなしで、こっちはローマとパリ、ふたつの都市をまたいでいままさに起ころうとしている暗殺のはなしで、どっちも、大義のためになにがなんでも殺す、というふうではなかった。
どちらの殺しも、行きがかり上、とか成り行きで、とかそんなふうで、防ごうと思えば防げたような、でもそうはならなかった、そんなやつなの。
それが主人公の大義、というよりかはずるずるした甘い夢、みたいなところと連係していて、どちらの映画にもふわっとした感触があるのはそのせいだろうか。
イデオロギーとして社会的に認知され、人を扇動し、或いはそのために多くの人を殺した、(例えば)ファシズム(或いは)反ファシズム、ここに個々人の夢を接続するような安易なことは、もちろんやっていない。
やってはいないものの、ある場所のある時間に、こんなようなかたちで起こりえたかもしれないある暗殺(或いはそれと等価の無為ななにか)、を置いてみることで現れてくるイメージ、歴史感覚のようなものがあるのではないか、というのがBertolucciが歴史と個人を描くときに一貫してとっているアプローチで(これともういっこはエロ妄想で、その表出のさせかたがBertolucciをBertolucciたらしめているなにか、ではあるの)、それは最新作の"The Dreamers"(2003)でもおなじなのではなかったか、とか。
まあ、Jean-Louis Trintignantて、歩く姿がかっこいいよねえ。
あと、Vittorio Storaroのカメラもすんごくかっこいいよねえ。
だったので、なんも考えずにぼーっと見ていればそれで済んでしまうような映画、でもあるの。
よくもわるくも。
部屋に戻ったら複数のTV局で並行してAdam Sandlerものばかりやっていたのであきれた。
"The Waterboy"(1998)に"The Longest Yard"(2005)に"The Wedding Singer"(1998)...
お正月だから?
1.05.2011
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