2.14.2019

[film] Ladies of Leisure (1930)

7日の晩、BFI Southbankで見ました。2月から始まった特集”Starring Barbara Stanwyck”からで、出だしで見逃した分も含めてがんばって追っているのだが、それでも見れないのが出てきていてくやしい。だってどれ見てもすごくおもしろいんだもの。

Jerry (Ralph Graves)は鉄道会社をやっている富豪のとこのぼんぼんで、でも画家になりたくて、そんな彼が明け方にパーティ帰りでふらふら歩いてた娘Kay (Barbara Stanwyck)を拾って、軽い気持ちで彼女を絵のモデルとして雇って、最初は乱痴気パーティガールのKayをおもしろがっているだけだったのが朝まで過ごしたりしているうちにだんだんに近寄っていって、結婚しようか、になるのだが彼の家はそんなあばずれ許しません、てなって、彼はそんなのいいからアリゾナに行ってふたりで暮そう、って言ってくれるのだが、旅立ちの手前でKayは彼の遊び仲間に連絡してハバナ行きの船の乗ってしまうの。同居していた彼女の友達が大騒ぎして彼にそれを伝えて…

ストーリーはこんなものなのだが、彼の遊び人友達(♂)、彼女の豪快友達(♀)、厳格すぎる彼の父、理解は示すものの結局突き放して泣きを入れてくる彼の母、などなど、人物設定と配置はパーフェクトなrom comのそれで、そんなことよりもBarbara Stanwyckさまのエモがぜんぶ透けてみえるのに強がりを重ねて、それが終盤に向かうにつれて表面張力ぱんぱんになり、それが一筋の涙で決壊して周囲をエモの大渦に巻き込んでしまう凄まじさはなんなのか。古い表現だけど画面に釘づけって、こういうことなのね、って。

Frank CapraによるBarbara Stanwyckとの第一作で、プロデューサーのHarry Cohnが彼女をKay役としてCapraに推薦したのだが彼はあまり乗り気じゃなくて、面接しても彼が失礼な態度だったので彼女は泣いて怒って、でもまあテストで撮った彼女を見てみ、って言われたのでそのフィルムを見たらびっくりして即採用になった、って。それが十分に納得できるとてつもない演技。すでにBarbara Stanwyckはぜんぶある。いる。

あと、Barbara Stanwyckの役柄的にはこれのリベンジ – 豪華客船で、金持ちぼんをぼこぼこにする – をそのうち”The Lady Eve” (1941)でやることになるのね。

The Bitter Tea of General Yen (1933)


2日の晩、日本から戻ってきて3時間後くらいにBFIで見ました。
Barbara Stanwyck特集、これもFrank Capraの監督作で、邦題は『風雲のチャイナ』(.. 何故カタカナ?)

20年代、内戦でぐしゃぐしゃの上海に赴任してきたアメリカ大使と彼と結婚間近のMegan (Barbara Stanwyck)がいて、歓迎パーティの途中なのに難民を助けに外に出て行った彼を追う彼女だったが途中でごたごたに巻き込まれて気がつくとGeneral Yen (Nils Asther)のお屋敷にいる。

服も寝室も与えられて賓客の扱いのようなのだがMeganにとってはすべてが異次元異文化のこと - 邸内で大量の銃殺刑やったりしてるし – で、General Yenから食事の誘いを受けても無理に決まってるでしょ早く元のところに帰して、しかなく、でも腹を括って着飾ってお食事して、そうしたらようやく互いに解けてくるのだが、でもやっぱり。

NYのRadio City Music Hallでの最初の映画上映作品で予算もたっぷり使った歴史大作だったのだが、評判は散々で興行も大コケして、更に主演のNils Astherをツリ目にしてGeneral Yenを演じさせたりしたことはRacial観点からも問題視されて、でもそれでも、MeganがGeneral Yenと側室のMah-Li (Toshia Mori)に対して露わにしていく内面のせめぎ合いと、彼女への秘めた愛ゆえにそれを受けたGeneral YenのBitter Teaの苦悶の描写は繊細で見事なメロドラマになっていると思うし、邸宅のセットとか美術も素敵ったらなかったし。

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