10日、日曜日の夕方に見た3本めのStarring Barbara Stanwyck。
淀川長治さんの名解説(Webでも読める)でも有名な作品よね。
マサチューセッツの炭鉱労働者の娘のStella (Barbara Stanwyck)は、炭鉱の重役のStephen Dallas (John Boles)の気を惹こうとしてて、彼の父が破産して自殺、婚約者Helenもそのせいで別の人と結婚してしょんぼりのところを捕まえて結婚して、彼女はStella Dallasになる。
やがて娘のLaurel (Anne Shirley)が生まれて、Stellaは娘のことしか頭にないくらい子育てに没頭して良くも悪くもべったりになっていくのだが、昔からの鷹揚な飲んだくれとずっと付き合っていたり、彼女の恰好はだんだんに大阪のおばちゃんみたい(ごめんなさい、あくまで印象だけで言っています)になっていって(なんでだろうね?)、Stephenは目を合わせてくれなくなり、彼のNY転勤を機に離れて暮らすようになる。
NYのStephenは今は未亡人になって3人の息子がいるHelenと再会してなんかよいかんじになり、そこにLaurelを呼んだら彼女も世界が広がって楽しそうにしているので、Stellaはだんだんに孤立していって、Lauraはやがてその土地の名家のぼんと結婚することになったのだが、婚約パーティにStellaが招かれていっても浮きまくって恥ずかしいことばかりなので、あたしがいるとLaurelのためにもよくないわ、って離れることにするの。 で、やがて結婚式の日がきて…
ものすごく辛い痛みや生死を分かつような別れがあるわけではなくて、昔からどこにでもありそうなベタな浪花の(ごめんなさい、あくまで印象だけで言っています)母娘物語、みたいなかんじで、これのきっついのはみんないい人で誰一人悪人が出てこない、っていうことなのかもしれない。たぶんStellaがちゃんと言えばいつでもLauraに会うことはできるしLauraも喜んで迎えてくれるのだろうけど、でもそういうことじゃなくて、もうふたりで過ごしたあの時間は二度と来ないんだな、っていう誰にでも思い当たりそうなしょんぼりした感傷と、あなたの幸せを世界で一番願っているのはこのママなんだから! ってラストシーンに向けてなりふり構わずエモ全開でぶちまけてくるBarbara Stanwyckのすさまじいこと。 幸せになってよう、って誰もがハンカチ握りしめて投げ銭しちゃうよね。
献身的な母と離れていく娘モノ、ていうとトーンはぜんぜん違うけどJoan Crawfordの“Mildred Pierce” (1945)てのもあって、ほんと母娘いろいろだねえ、って。(他人事)
これの原作となった小説は20年代のベストセラーで、なんでかというとアメリカで離婚や片親の問題がクローズアップされてきたという背景があって、Samuel Goldwynが最初のサイレントのを作った時、その映画化権は当時としては破格の$15,000だったのだそう。で、Goldwynがこれのリメイクをする際、Barbara Stanwyckはチョイスに入っていなかった - 母親を演じられるとは思わなかったって - とか、撮影に入ってもいろいろあったとか、配布されたノートにはいろいろあっておもしろ。
この日、BFIに行く前にV&Aで始まった”Christian Dior: Designer of Dreams”を見てきた。
チケット購入不要のメンバーでも軽く30分並ぶ盛況で(日曜の昼間だからか)、基本は2017年にパリ装飾美術館で開かれた“Christian Dior, couturier du rêve”のを持ってきて、V&Aの新しいギャラリースペースにぎっちり押し込んだかんじ(ややきつめ)。プラスでDiorはイギリス贔屓でした、ていうコーナーが新たにくっついたくらい。 装飾美術館のほうが威風堂々としていたかも。
あとカタログは構成、製本、紙質、ページ数(100p以上多い)ぜんぶパリの方の圧勝だと思いましたわ。
RIP Karl Lagarfeld ... 猫も沢山の本たちも悲しんでいることでしょう。
2.19.2019
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