1.19.2019

[film] Stan & Ollie (2018)

14日、月曜日の晩、Leicester SquareのOdeonの一番でっかいとこで見ました。

BBC製作によるStan & Olieの映画 - バンド名のLaurel & Hardyではなく、それぞれのファーストネームがタイトルになっている、実話、だよね。 昨年のLFFのクロージング作品。

37年、”Way Out West” - 歌と踊りを撮るシーンが出てくる! - で人気の頂点にあったふたりは契約の更新を突っぱねて、そこからだんだん下り坂になっていくのだがそこから時代は1953年にとんで、英国でのふたりの(最後の)どさまわり - 最初はしょぼかったのだが、だんだんに客が入っていって、英国中をまわってついにロンドンまで来る。ツアーの間もStan (Steve Coogan) はネタを書いたり映画会社に売りこんだりしているのだが、ぜんぜんうまくいかず空振り、Ollie(John C. Reilly)の体はぼろぼろでふたり一緒にいてもちっとも楽しくなくて、Savoy Hotelに滞在しているところに彼らの妻たちもアメリカからやって来るのだが、こちらもそれぞれに意地も仲もよろしくなくて、ステージはそれらも含めて緊張感たっぷりで。

大好きなコメディアンだから、ため息ついたり苦しんだり悩んだりする姿なんて見たくない、更にふたりの仲が悪くなって人気がなくなっていくとこなんて辛いだけだし、なのであーあ、って嘆き悲しみながら見ていたのだが、最後のところはじーんとなって、いちばん最後の字幕で泣いてしまう。 最後のところを見せたかったのかねえ、って。芸人の意地とか矜持とかそういうのはどうでもいいのだが、こういうのには弱い。

あと、むかしの映画で見ることのできる彼ら(ほんもの)とこの映画での彼らのギャップについて、外観もあまり似ているかんじはしない(Ollieは特殊メイクだし)のだが、最後の方まで来ると似ていなくたって構うもんか、というくらいSteve CooganとJohn C. Reillyのふたりがすばらしいの 。 ふたりともコメディ・パフォーマーとしてLaurel & Hardyを演じることの難しさは十分にわかっていたに違いないが、最後の方のふたりの数回の目配せ、たったこれだけでぜんぶ持っていってしまう。

4月に日本でも公開されるのであれば、どこかでLaurel & Hardyの特集も併せておねがい。


Holmes & Watson (2018)

15日、火曜日の夕方にWest Endのシネコンで見ました。翌日から出張だし、もう上映が終わっちゃいそうだったので慌てて。

こっちでのレビューは散々で、でも”Step Brothers” (2008)のふたり(+ 製作のAdam McKayも入れたら3人)が戻ってくるのであれば絶対に見ないわけにはいかない、の。ぜったい。

ふつか続けてJohn C. Reillyのおしどりデュオものだわ… と思っていたらこっちのにもSteve Cooganは出ていて、なんかおもしろいねえ、だった。

今やどうとでもいじくれるホームズもので、Will Ferrellがホームズ、John C. Reillyがワトソンで、最初のほうにモリアーティ教授(Ralph Fiennes)の裁判があるのだがなんでか彼を釈放しちゃって、そこからVictoria女王のバースディケーキに入っていた死体と女王への暗殺予告を巡って、本格推理と大捕物がはじまる… わけないの。 ふたりに絡む検屍官としてRebecca HallとLauren Lapkusがいて、そしてまさかのハドソン夫人(Kelly Macdonald)も重要で、最後はTitanicが舞台で、マークトウェインとかチャップリンとかアインシュタインとかフロイトも出てくるよ。Robert Downey Jr.のほうのホームズへのパロディもいっぱい。つまり相当あれこれぶっこんでいて、でもこのふたりなので、収拾とか決着とかそういうのは一切なしに、ひたすらハナたらしゲロまみれの、そういうギャグをだらだらやり続けて極めて適当にいいかげんに落着してしまうの。彼らの映画内で彼らに対して眉をひそめる人々と同じように、なによこれ、って思うかもしれないが、それをやったら終わりで、負けなの(なんの? なにに?)。

“Step Brothers”では、ふたりの義兄弟が意味なく延々喧嘩張り合いをやっているのが快感で、今度のは難問解決に向けてふたりそれぞれでがんばるやつ(でもやはりそこにあんま意味はない)で、おもしろみという点では前回のが地平線の果てまでバカバカしくてよかったかなあ。

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