これも先に書く。新作映画の2本目。 3日、木曜日の昼間にPicturehouseで見ました。2Dで。
3日ってこっちではもうふつうに会社始まっている日の昼間なのでがらがらの貸し切り状態。
Bumblebeeというとまず浮かぶのはアメリカのツナ缶のブランドだし、Transformersのは気がつけばぜんぶ劇場で見たりしているのだが特に好きなわけでもない – どちらかというとバカみたいねえ、ていうために見てるようなもんだし、なんで見たのかというと監督がLaikaスタジオのひとで、“Kubo and the Two Strings” (2016)を作ったりしていたから、程度。
だがしかーし、突然変態のとんでもないやつだった。80年代の音楽とか映画とかを密かに/未だに心の支えにして生きている/きたひとは見たほうがいいよ。
冒頭は宇宙のどっかの果てでOptimus Prime率いるCybertron軍団がいつものようにガチャガチャ殴り合い殺し合いやってて、やばくなってきたところでOptimus がB-127 - Bumblebeeに、おまえ地球ってとこに行って安全かどうか見てこい安全そうだったら後でいくから(勝手にきめんな)、ていうとB-127はがってん、って地球にすっとんでいく。 こいつは都合よくカリフォルニアの山に落ちて、そしたらすぐに追手と訓練中だった米軍にぼこぼこにされてどっかにしおしお蟹のように身を隠す。
時は1987年で、18歳の誕生日を迎えたCharlie (Hailee Steinfeld)は、大好きなパパを亡くして後パパとその連れ子とやかましいママの間で窮屈でうんざりしていて、朝は”Bigmouth Strikes Again”で元気に歯磨きして自動車整備工場とかビーチでのバイトに出かけるのだが、BFもいないし自分の居場所はどこにもない。ある日自分の車がほしいなー、って廃車置場をみたらぼろぼろの黄色いビートルがあって、差してあるキーをひねったら動いたのでこれちょうだい誕生日だし、って貰って帰るとそいつがいきなり変態してロボットになったのでびっくりして、で、これをBumblebeeって名付けていろいろ教えて面倒みたりペットみたいにしていくのだが、やがて追手のロボ軍が気付いて更にこいつらは米軍と取引してて、連中が一挙に攻めてくるの。
ストーリーはこんなもんで子供でも予想つきそうなもんなのだが、そんなことよりも全体としてはCharlieとBumblebeeの関係を軸としたJohn Hughes映画 – 特に”The Breakfast Club” (1985) - と”Splash” (1984)へのオマージュになっていて、これをやりたいがために設定を87年に置いたのだとしか思えない。ちなみに87年ていうのはThe Smithsが"Strangeways, Here We Come"を出して80年代的なあれこれを殺した年ね。(Bumblebeeにこれのカセットを突っ込んで再生させたら嫌がって吐き出す象徴的なシーンがある。ついでにもういっこ吐き出すのはRick Astleyの)
John Hughesモーメントはいっぱいある(誕生日、父親との関係、男友達との関係、など)のだが、集約すれば自分は自分であっていいんだ、という目覚めと、”Splash”のほうは自分の理解できないもの、想像を超えたところにあるものを排除しないで向きあって慈しめ、っていうところ。 そして振り返ってみれば、Laikaスタジオの作品たちもまたそういう奴らだったのだなあ、って。
(このコンセプトってTransformersシリーズの中心にある、種の淘汰~進化、みたいなテーマからすればずれているのだが、Michael Bay、わかってるのかしら?)
こういうのがなんで今必要とされるのか、見られなければならないのか、は言うまでもないよね。
ただこんなにあからさまに80年代全開で今の子供達にわかるのかしら、って心配になるのだが、たぶんこの世代を生き延びた連中が孫とか(…うん、孫だろうなやっぱり)を連れてくるんだろうねえ。
そういうわけなのでCharlieの部屋にはThe Pretendersのポスターがあって、Simple Mindsの”Life in a Day”があって、TシャツはMotörhead, The Damned, Elivis Costello & the Attractions, The Smithsなどなど日替わりでいくらでも出てきて、音楽ときたらイントロクイズ(難しくない)状態でボタン探したり押したりにせわしなくて、この流れだと最後はあれしかないよね、と思ったらやっぱりあの曲が来るし。(選曲はこてこてだけど、今の子達にひかれないようにさらりと)
Charlie - Hailee Steinfeldさんは”True Grit” (2010)のあの娘なのね。ひとりで立ち向かうのが絵になるねえ。そしてJohn Cenaはやっぱりああいう役だった、と。
B-127がグランジの頃のシアトルに落ちていたらどうなっていたかしら? どうにもならんか。
1.05.2019
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