11.28.2018

[film] The Lady Eve (1941)

Screwball Comedy3つ。BFIのComedy Genius特集ではレンジがでっかいせいか、いくつかのカテゴリーで区切っているようで、その中に”Screwball Sunday”っていうのがある。日曜の午後にクラシックなScrewball Comedyを、ってとっても素敵だと思うのだが、べつに日曜の午後以外にも(本数は多くないけど)やっていて、とにかく見れるならうれしいので行く。

The Lady Eve (1941)

10月22日、月曜日の晩に見ました。

夏から秋にかけてずっとJoan Crawford一筋だったがやっぱりBarbara Stanwyckも好きだし、監督はPreston Sturgesだしな、と見てみたら、冒頭のヘビのアニメであーこれだったかあ、になった(←ちゃんと憶えとけ)。

Jean (Barbara Stanwyck)とパパともう一人の詐欺師一家がいて、ビール会社の御曹司でヘビ専門家のCharles Pike (Henry Fonda)がアマゾン探検からの帰途、豪華客船に乗ってきたので、こいつを落としたれ、ってパパがカードですってんてんにして、Jeanでめろめろの骨抜きにするのだが、船を下りる直前に正体がばれてご破算になって、こんにゃろー、ってなったJeanは貴族お嬢さま"Lady Eve Sidwich"になりすましてCharlesのおうちに近づいて、今度はまんまと結婚までこぎつけるのだが、ハネムーンに向かう列車のなかでJeanが過去の男遍歴大告白大会を始めて止まんなくなって… (悲鳴をあげて突っ走る暴走機関車がめちゃくちゃおかしい)

蹴躓いてばかりのぼんくらHenry Fondaにねっちりヘビ女のBarbara Stanwyckが絡みついてぎりぎり絞めあげていくSMコメディで、とにかく彼女がとてつもなくキュートでこれならどんな王様だろうがドMだろうがいくらでも落とせるだろ、て思うのだが、最後はなんだ結局好きでやってたのね、になる。 ずっこけてばかりのヘビ好きCharlesのいったいどこに惚れたのか、ここだけは最後まで謎。

でもあのふたりは長続きしないとおもうわ。


The Awful Truth (1937)

11月17日、土曜日の午後に見ました。 邦題は『新婚道中記』..?

Jerry (Cary Grant)とLucy (Irene Dunne)の夫婦がいて、Jerryはウソついてカラ出張したり、Lucyは音楽家とデートしたりしているのでそれじゃもう離婚しようか、って手続きを始めて、Lucyは越した先の叔母のアパートでオクラホマの成金 - 人あたりはよいけど中味は牛のようにからっぽ - Dan (Ralph Bellamy)と知り合ってつきあってみるのだが、どうも違うかんじで、やっぱしヨリ戻そうかと思うのだが、うまくいかなくて、他方でJerryは金持ち令嬢のBarbara (Molly Lamont)と婚約手前までいって、妨害すべくLucyはJerryの妹になりすまして乗りこんでいくのだがやはり失敗して、離婚手続きの期限が迫ってきて、どうなっちゃうのか。

 “The Awful Truth” – おぞましい真実、っていうのはふたりがやっぱり互いを好きなのに断固認めたくなくて、それぞれの都合で隠そうとしたり暴こうとしたりじたばた - Lucyのアパートで関係者全員が鉢合わせして収拾つかなくなるところ最高 -  すればするほど事態は真実から遠ざかっていって、最後には犬猫がしょうがねえなあ、ってなんとかするようなところまでいっちゃうの。おぞましい真実をわかっていたのは犬猫だけだった - そういうのも含めておぞましいことだねえ、なにやってたのかねえ、ていうお話し。

元気なわんわんのSkippy (Mr.Smith) は、次の“Bringing Up Baby” (1938) - 「赤ちゃん教育」でも大活躍するあいつで、映画史的にはCary Grantと同じくらい偉いと思う。
監督のLeo McCareyはこれで同年のオスカー監督賞を貰っているの。


The Palm Beach Story (1942)

11月18日に見ました。日曜の午後、BFIのいちばんでっかいシアターがこれを見る客(そりゃ老人が多いけどさ)でほぼ埋まっている、っていいよね。

Tom (Joel McCrea)とGerry (Claudette Colbert)の夫婦は結婚5年を過ぎて(公開当時の邦題は『結婚五年目』だって)、もう続けるのは無理かもって思い始めたGerryは離婚してもっといい金づるを探すべくPalm Beachに行くことにするのだが、出払おうとしていたアパートで怪しげなソーセージ王の老人から札束を貰い(いいなー)、なのに列車のなかでは狂乱の酔っ払い集団 - The Ale and Quail hunting clubのどんちゃん騒ぎに巻き込まれて身ぐるみ失って、すると今度はとてつもないお金持ちのJohn D. Hackensacker III (Rudy Vallée)と出会って見初められて、こいつはすごいかも、になるのだが、やはりソーセージ王からお金を貰ったTomが後を追っかけてきて面倒になりそうだったので彼を兄ということにして、そしたらJohn D.の姉だか妹だかでいっぱい結婚してて変な愛人を連れたPrincess Centimillia (Mary Astor)がTomのことを気に入ったみたいで嬉しそうに寄ってくるので、ふたりはどうなっちゃうのか、になる。

これもPreston Sturgesの監督作品で、“The Lady Eve”にもあった、人はやっぱし外見、とか、走り出した列車はなにがあっても止まらない、とか肝心なところは変わらず、人から聞いたら法螺話かよ、みたいなのが整然と問答無用に展開していくのでお手上げで、どうしようもない。 ナンセンス、ていうのとも違って、あるのはぜんぶちゃんとした意味の上に乗っている or 乗っけようとしている、のだがその途上でなにかどこかが過剰になって、でもそこにしがみつくしかないのでしがみついているとでんぐり返って大火事に..    そしてこれはあなたの身に起こってもおかしくないのよ、って。

しかし、お金なんてあるとこにあるもんよ、って結構めちゃくちゃな”The Lady Eve” (1941)とこれの間に”Sullivan's Travels” (1941)を撮っている(主演は同じJoel McCrea)Preston Sturgesって、なんなのこのひと? だわ。

“Christmas in July” (1940)も久々に見たいなー。

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