22日、火曜日の晩、日曜日のリベンジで見にいった。 『エンド・オブ・ザ・ワールド』。
だからさー、みんなこういう駄菓子みたいなラブコメを見たいんだよきっと、と思っていたのだが、そんなようなどたばたコメディではなくて、割としんみり切ないやつだった。悪くはなかったけど。
小惑星を破壊する予定だったスペースシャトルのミッションが失敗したので、あと3週間で地球は終ります、というラジオのアナウンスが流れて、Steve Carellの妻はどっかに消えてしまい、彼はがらがらのオフィスで仕事を続けようとするのだが、ばからしくなって自棄になって、そんななか同じアパートに住むKeira Knightleyと出会って、彼女と旅をすることに - 彼は高校の頃のガールフレンドを探して、彼女は飛行機がないと無理なのだが家族に会いたいし - なるの。
世界がもう終わっちゃう、家族も仕事もいろんな愉しみもぜんぶ消えてなくなる、となったときになにをするのかどうしたらいいのか、自殺もどんちゃん騒ぎもしないでお友達を探す、探すというより気づけば横に、たまたまついてきたかんじの犬と娘が。 ふうーん。
Keira Knightleyは割とビッチな娘で、一旦寝るとなかなか起きなくて(寝顔だけはかわいい)、でも同棲していたex.彼の部屋から逃げるときに「あたしのJohn Cale("Vintage Violence"だった)とWilcoだけは!」、とアナログ何枚かだけを束にして抱えこむような娘だもんだから、けっして嫌うことなんてできないの。
最後の最後にSteve Carellがぶち切れて、とかバカになって、とかそうでなければ"The 40 Year Old Virgin" (2005)のラストのようなパラダイスのビジョンが現れるかと思っていたのだがそうはならず、彼は終始むっつりシニカルで、まるで村上春樹の小説の主人公みたいなかんじで、ここだけなんかなー。 例えばJim Carreyだったらどうだったろう、とか。
世界の終りが近づいて、携帯もTVも繋がらなくなって、そうなってもアナログレコードは不滅なんだと、そういう映画なの。(電気はぜったい通っているのね)
最後、主人公がひとりで部屋で(他にはLeonard Cohenの"Death of a Ladies' Man"、The Magnetic Fieldsの"69" なんかがみえる)ターンテーブルに載せるのがThe Walker Brothersの"The Sun Ain't Gonna Shine (Anymore)〜♪"なんですよ。(でもレコードジャケットは”Scott”なんだけど…)
というわけで、あたりまえのように、R.E.M.の"It's the End of the World as We Know It (And I Feel Fine)" も Tubeway Armyの"Are 'Friends' Electric?"も流れないのだった。
このほんわかしんみりしたエンディングは、90年代の子供達のそれだよねえ。
べつにいいんだけど。
1.26.2013
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