日曜日は、シネマヴェーラで1本、と、もう1本。
最初のは"Desire" (1936) - 『真珠の頚飾』。
監督がフランク・ボーセジで、製作がルビッチ、彼もところどころで撮っているそうで、主演はディートリッヒにゲイリー・クーパー。
前に見たことがあった気がしたが、見てなかった。
はずれるわけがねえ。
ディートリッヒが宝石泥棒で、宝石商と精神科医を鮮やかに騙して真珠の頚飾をかっぱらい、スペインに逃げて、入国のときやばくなりそうだったので、そこに休暇で来てたトム(ゲイリー・クーパー)のポケットに頚飾を隠してしめしめ入国、そのあとでトムに近づいて取り戻そうとするのだが、そう簡単にはいかないのね。
単純でまぬけでアメリカンでさばさばなトムと、いつものぐにゃーんとした猫ディートリッヒのやりとりがすばらしいし、とにかく絵になるの。
めでたしめでたしにならなくても(いや、なるけど)ずうっと見ていられます。
それからローレル&ハーディの短編"The Hoose-Gow" (1929) - 『刑務所』。
囚人おつとめもの。今回は泥くそなげ、が楽しかった。
それから、イメージフォーラムに行って『四つのいのち』 - "Le Quattro Volte" 見ました。
映画の日なので混んでいると思ったがぜんぜん。
タイトルに「命」とか - ましてや平仮名で「いのち」なんて入っている作品は基本見ないことにしているのですが、これはなんかいいかー、って。
ひとの台詞なし(咳とかごにょごにょだけ)、音楽なし、風の音と鳥の声、ヤギ、犬、車、アリ、カタツムリ、などなど。 いちばんうるさいのはやっぱヤギ、かな。
四つ、ていうのは、ヒトでしょ、ヤギでしょ、木でしょ、炭山? いちにいさんし、かな。(じしんない)
ヒトはしぬでしょ、ヤギははぐれるでしょ、木は倒されるでしょ、炭は焼かれるでしょ、それがぐるっとまわっていくのか、まわっていくのかもしれないし、そうでないかもしれない。この辺がゆるく繋がっていて、どうとでも解釈できそうな。その辺の風通しのよさはわるくないかも。
エコでもないし、オーガニックでもないし、啓蒙もしないし、志向もしない。
あそこに出てきた老人やヤギがそんなこと思いながら生活しているわけないのと同じで、そこに自然がどうのサイクルがどうのといったしょうもない理屈をつけて納得したがる人たちに対しては、ひたすらぼーぼー風が吹いてくる。或いは、炭山の中から聞こえてくるかのような、あの外側をスコップで固めるぼこぼこした音が。 穴のなかに埋まってろ。
ドキュメンタリーなのかそうでないのか、はどうでもよいのだが、このへんの緩い構成が映画として、映画の絵としてどうなのか、というのはあるかも。
それでも、ぼーっと田舎の風景を眺めるように見る、にはよかったかも。
GWにわざわざどっか出かけて疲れるよりは。
しかし、ヤギっておもしろいよね。 なんでみんなあんな顔してるの?
あーヤギになりてえ。 はぐれてもいいから。
5.04.2011
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