ああ、あまりに時間がなさすぎる。
土曜日はいろんなのがあってまるいちんち塩漬け。
日曜日もごご3時まで立ちあがることができず、でも時間ないし、しょうがないので杖(傘)ついてぶるぶる震えながら新宿に出て見ました。
2010年のNYのいろんなCritics Pollでは結構上位に出ていたドキュメンタリー。
リーマンショックに端を発したごたごた - グローバルな金融危機て、あれはいったいなんだったんでせう、と。
ほんとはねー、これくらい字幕なしで昨年中に見ておけよ、てはなしだったんだけど、経済用語とか法律用語とかだめなのよね。(殴)
冒頭、アイスランドの国全体の金融破綻を静かに総括する~直前までみんな健全だ問題ないって言ってたよね。 なのになんで? と軽くなげてみたとこで、「でもNYだっておなじようなもんだったろ?」て。
ここで画面が摩天楼に切り替わって、Peter Gabrielの"Big Time"がフルで流れる。かっこいい。
Matt Damonのプレーンなナレーションも、統計情報のはいった画面構成のグラフィックも含め、全体の印象は極めてクールにすらすらと流れていく。
衝撃の真実とか現場とか阿鼻叫喚の修羅場とか、見えなかったなにか、隠されていたなにかを暴く、のではなく、みんながうすうすそうだろうなーと感付いていたものを調達可能なデータと関係者証言(コメントしてくれなかった関係者もぜんぶ名前を出す)を駆使して並べて整理してみました、と、そういうアプローチ。
M.ムーアだったら確実に泣きが入りそうなところもセーブして、最後に、
「勝ち目はないかもしれない。でも戦うだけの価値はあるかも」 と静かに締める。
要するに金融界、政界、学会、格付機関、ぜんぶがぐるになった茶番(inside job)で、組織犯罪みたいなもんで、悪賢くて貪欲なやつらがいちばん儲けてやり逃げで、結局ひとりの逮捕者も出さないまま、これらを引き起こした張本人たちはいまだにワシントンの中枢にいる。
「ものごとはそんなに簡単ではないのだよ」というのが頭のよい人たちの常套句で、実際のところもそうなのかもしれんが、なんか、世界中に迷惑かけて、なんの落とし前もつけられないまま、なにも変わらないまま、というのがえらくあたまくるのよね。
で、みんなすぐわかると思うが、この映画で描かれている図式はそのまま、いまの原発をめぐるあれこれにそのまま適用可能なのね。
電力業界と政界と財界と学会の癒着、予測できるひとは十分予測していたし、とっくに予測できたはずのものが、なんの手も下されないままに事故が起こり、被災者の救済優先というお題目のもと、誰も、何の責任も取ろうとしないまま、いち環境事故のようなかたちで処理されようとしている。
もし逮捕者がでたら関係者芋づるに決まっているから、鉄板の弁護士軍を揃えるしメディア対応も万全、これまでの御厚情(利権ばんざい)に背くようなことは決していたしません、と。
ちっ。
リーマンショック以降を総括というわりには質問者の追い込みは緩いし、ちょっと物足りないとこも多いのだが(こないだNYのホテルのエロ狼藉で逮捕されちゃったDominique Strauss-Kahnが告発する側で出てくるのでああ、とか)、こういう、ここ数年顕著になった社会の上層にある「ぐる」の図式、構図、みたいのをきちんと展開してくれるとこはよかったかも。
敵の強大さをちゃんと知っておくためにもね。
Twitterでわあわあ言ってりゃなんとかなるなんてもんではないのよな。
でも、そうやって社会のことをぶつぶついうよりもなによりも、まず自分の、今のこの状態をどうにかすることだな。
5.30.2011
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。