9.07.2023

[film] Haunted Mansion (2023)

9月1日、金曜日の晩、”Asteroid City”に続けて109シネマズ二子玉川で見ました。『ホーンテッドマンション』。
1日はサービスデイだからね、はしごでもしないことにはお財布が。

2003年のEddie Murphy版も2021年のマペット版も見ていない。ディズニーランドのアトラクションにあるやつ(?)が元ネタらしいのだが、そこにも入ったことはない。要はお化け屋敷こわいだろ〜 なんだよね? 当初は脚本をGuillermo del Toroに依頼していたが引っこめたって… あーなんて勿体ないことをー。

最初に死者がでかい顔をしてずっと生者と一緒にお祭りしている街としてのニューオーリンズが紹介され、ギークの天体物理学者だったBen (LaKeith Stanfield)は妻と死に別れたあと、失意から立ち直れないままお先なしやるきなしのツアーガイドをしていて、シングルマザーのGabbie (Rosario Dawson)とTravis (Chase Dillon)の買ったぼろ家に立ち寄ったらそこから抜け出せなくなる。なんで抜け出せないかというとそこにずっといるお化けだか幽霊だかが悪戯とか悪さをしてくるからで、元のアトラクションではそうしてまとわりついてくるあれこれを振りきって脱出する、というのがテーマだったのではないかと想像すると、抜け出すための別の手とか助っ人などが必要で、そういうのとして、(やがてニセであることがわかる)神父のKent (Owen Wilson)とか、落ちこぼれ霊媒師のHarriet (Tiffany Haddish)とか、お化け屋敷専門のなんの役にも立たない教授Bruce (Danny DeVito)などが集結してきて、他に水晶玉に閉じ込められている霊能力者にJamie Lee Curtis – “Everything Everywhere All at Once” (2022)を上回る派手被り衣装、敵方のお化けの首領に館の当主だったJared Leto  - 出し方、もうちょっと工夫してあげればよいのに – などがでてくる。

結局は性悪・邪悪すぎて首を切られた旧当主の呪いをどうする、を巡って館を中心に閉じこめられる/脱出する/追っかけるの右往左往のどたばたゲームで、見ていて飽きないのだが、首なしとか帽子の使い方とか、わかりやすく先が見えてしまうのがつまんなくて、どうせやるならどこまでも悪趣味のげろげろ – “Addams Family”みたいな – に振りきってしまえばよかったのに – でもディズニーのじゃ無理か - とか。

まずこれってホラーなのかコメディなのか。ホラーだったらちっとも怖くない。なにしろ最初に入居した母子組が恐怖で疲弊したり衰弱したりしているわけではなく、ただ出らんないのよねー、って腕組みして困惑していて、お化けたちの困った挙動については教育上いかがなものか、程度だし、集まった面々もよくわかんない変なことがあれこれ起こるので嫌がるものの強がり半分で怖がりはしないで、さてやるべきことはー、みたいな態度で、とにかく誰ひとり怖がらないの。怖がらないけど巻きこまれる – アトラクションだからいいのか。怖くないけどなんかいる/見える、っていうのが実は一番怖い - “The Babadook” (2014)みたいな - んだけど。

コメディでやるにしても芸達者が集まっているので、”Ghostbusters”的なノリとかWes Anderson風の連携でも見せてくれれば楽しくなったに違いないのに、ちっともわくわくしないし、どちらかというと個々が連携プレーしないところ(お化け側もそんなふう)を見せようとしているみたいで、でもその様子があまりヒットしてこない。どちらかというと、妻を失ってこの世に未練がなくなったBenの悲しみや辛さをところどころクローズアップしてくるので、なんか中途半端で座りがわるいかも。などを思うと、del Toroの”Crimson Peak” (2015)って、痺れるようなお化け屋敷ものだったなー、とか。 これならアニメーションでもよかったのではないか、とか。

で、最後は結局Halloweenだよ! (Jamie Lee Curtisはここから現場に向かったのかも)って子供も一緒にみんなでわいわい騒いで、結局/やっぱりそこかーって。冥界の蓋がどっちみち開いているのなら最初から駄菓子でも食べて猫になって落ち着けばよいのに、とか。

でも子供の目からしたら実はとても怖くておそろしいなにかが見えているのかもしれないしー、とも思ったり。
 

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