2月23日土曜日の昼間、CurzonのVictoriaで見ました。もう終わっちゃうそうだったので。
邦題は『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』。 前日に見た”Il mistero di Oberwald” (1980)に続く王室幽閉ドラマ。
英国人(含.スコットランド人)には割とふつうに知られているQueen Elizabeth IとMary Stuartの対立を描いた歴史もので、ふつうに知らない異邦人なのでちゃんと(にはならないかも知れないけど)勉強したいなと思って見る。 この辺のこと、英国で暮す以上はちゃんと知っておかないと失礼かなとか、英国の映画とか演劇に触れていくなら必須かな、とか。
Elizabethものとしては、昨年みたZenaida Yanowskyさんによるダンス公演 - ”Elizabeth”以来。
16世紀、イングランドとスコットランドの、カトリックとプロテスタントの、確執や対立、支配に和解を通して国ができあがっていく、その背後にいたElizabeth Iとその側近、そこでぼうぼうと流された策謀陰謀に裏切りに大量の血、などなどを主にMaryの目線から描いていく。
1561年、夫のフランス国王の死に伴い19歳のMary Stuart (Saoirse Ronan)が4人の侍従(名前はみんなMary)とスコットランドに帰還して、でもそこは既にQueen Elizabeth I (Margot Robbie) の治世下で、互いになんかやりにくいなあっていらいらし始めたあたりで、Maryがあたしはあなたのいとこ(系図を見るといとこの娘 – これもいとこなの?)だし、あたしそもそも王位継承権あるよね、ね? って突っこんだらなんじゃとおー(怒)ってなって、かわいそうにMaryは処刑されてしまうの。
ごつごつした野蛮人だらけのあの時代に女性として権力者の座に置かれたふたりのそれぞれの苦難と競争意識と孤立感と、でも案外互いに解りあえるところはあったのではないか、というあたりで本当にそういう場があったのかどうなのかはわからないけど、映画としてはふたりが直接に会って対話をするシーンがひとつのヤマで、でも結局… になってしまう。
日本だと頼朝と義経、みたいなもんになるのかしら - 過去の映画化では”Elizabeth: The Golden Age” (2007)- 未見 – での Elizabeth (Cate Blanchett) – Mary (Samantha Morton)があり、古いところだと”Mary of Scotland” (1936)での Elizabeth (Katharine Hepburn) – Mary (Florence Eldridge)ていうのもあったりする。 Katharine HepburnのElizabethは見てみたいなー。なんにしても昔のElizabethは惚れ惚れかっこいいーって崇め奉られるようなクールな女優さんが演じてきていて、その点今回のMargot RobbieはSaoirse Ronanときれいな反転模様を描けるような危うさ脆さが端々に出ていて、ここは賛否あるのかもだけど、アンサンブルのコントラストとばりばりの緊張感、劇物感は悪くなかったかも。
本当はScarlett Johanssonが演じる予定だったというMaryの方 - Saoirse Ronanは盤石で、想いをこめてひとり海を見つめる姿 - 服は青緑系 – が世界一似合う – “Brooklyn” (2015)でも”On Chesil Beach” (2017)でも - 女優としてこれからもがんばってほしい。最期の衣装のとこはすごいなー。
それにしてもMary Stuartのひいひい孫が”The Favourite” (2018) のQueen Anne - Olivia Colmanになるんだから英国王室っておもしろいよねえ。
音楽はMax Richterさんで、ちりちり民謡ぽい楽器を使いつつも、メインのとこはMax Richterのアンサンブルになっててよいかんじだった。
あのスコットランドの牛、ほしいなあ。
3.04.2019
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