16日の夕方、映画いっぽん見てから新木場に行ってみました。 Hostess Club Weekenderの二日目。
場所だけだど、これまでの恵比寿のほうがよかったのになー。
これがあったので、日仏のカイエも、NFCのデジタル小津も諦めた。
今回はとにかくThe Nationalを見たかった、というのにつきる。 初来日ライブをのがして、米国でも数回ニアミスしてた。
最初のは08年のLollapaloozaでNIN待ちのとき、背後のステージでやっていたんだよね。 "Boxer"が出て、ぶいぶい言い始めた頃のこと。
Youth Lagoonのまんなかくらいに入った。
ひとりで地味にちゃかぽこやっているのかと思ったらバンド編成で、しかも結構どっしりばしゃばしゃやっていたので少し驚いた。
よじれた子供声じゃなくて、あと少しエモとか ゴスが入っていたらがんがんに上がっていきそうな、そういう地に足のついた音。よくもわるくも。
Warpaint
これも見たかった人たち - 女の子4人組。 両端のふたりがギターとヴォーカルとキーボードと、あれこれ動いて、ドラムスとベースはまんなかでばりばりゆらゆら。
4AD系、という形容がいまでも通用するのかわからんが、基本はそういう水の底とか闇の底でエコーとかリバーヴがわんわんするなかで、光が見えたり揺れたり弾んだり、童歌のように澄んだヴォーカルがこだましたりする。 最近のLAのバンド、というのもあるのか、決して底の泥まで沈みこむことはなくて、耽美、という言葉のまわりで小気味よく音を捩ったり切ったり貼ったりしていくかんじ。 そのアブストラクトな音色とか空間のつくりかた、に力みがなくて、繊細でセンスがよくて、ずうっと聴いていられる。 たまに「ダンス」とか言ってみるけどあんまし踊れない。
John Fruscianteが偏愛したのがよくわかる。
ドラムスの弾み具合が特に気持ちよくて、お気に入り女性ドラマーがまたひとり増えたかも。
The National
ほんと、ようやく見れたわ。 サポート2名を加えた7人編成。
新譜の3曲目→1曲目とじゃらじゃらあげて、"Bloodbuzz Ohio" 〜 "Sea of Love"のあたりで最初のヤマがきて、そこから更に破綻なくなだらかにあがっていく、あげていくかんじ。
なんの心配もいらない、ジャンプもモッシュも必要ない、エモはほとばしることなく、でも機関車のように着実にどかどか流れつづける。 ここのドラムスはほんとにすばらしいのよね。
個人的には中盤、"I Need My Girl" (このギターのリフってSufjanだよね)〜 "This is the Last Time" でしっとりしたところで、"Abel"でばくはつ! ていうあたりがいちばん素敵だったかも。
Grizzly Bearとかもそうだが、今世紀に入って出てきたBrooklyn近辺の、ウェルメイドなバンド・サウンドってなんなのか、をずっと考えている。
80年代のThe ReplacementsとかREMとかの隙だらけの荒れっぷりとも、90年代のグランジ~オルタナの汚れっぷり/異臭感とも違う、分厚くて頑丈で巧くて、隅々まで練られて考えられている楽曲の数々。 もうちょっと暴れてみれば崩してみれば、とか思わないでもないのだが、でもこの日のこんなライブを見ると、ひとりがじゅうぶん暴れてくれるのでたのしい。
New Brooklyn Cuisine(て、もう言わないのかしら)が、そんなの絶対、あたりまえにおいしいに決まってるじゃん、とか思いつつも、口に入れたところで改めてびっくりしてしまうのに少し似ている。 ライブで耳に流しこまれる音の触感があまりに瑞々しくきもちよいので、ぜんぶゆるす、もういい、みたいな。
ヴォーカルのMatt Berninger の壊れっぷりがたのしい。 スーツ着てメガネして、無精髭のバリトンで、そんな彼がどんどん取り乱して荒んで解れていく、それを見つめる快感ときたら。
教え子と面倒なことになってしまった大学の准教授とか、オフィスで破廉恥なことをしてるのをばらされてしまった銀行員とか、妄想ネタとしても申し分ない。
なすすべもなく蜘蛛の糸に絡め取られ身動きがとれず、でもぜんぶ自業自得で、うるせえな愛なんだよ文句あるかよ、とマイクスタンド抱えて怒鳴りまくるひとりのオトコ。
アンコールは3曲、ほとばしる"Mr.November"のあと、マイク(紐つき)持って客席を練り歩いてぐだぐだになる"Terrible Love"、そのあとでしっとりとアコースティックで"Vanderlyle Crybaby Geeks"。 あと1時間やったってよかったのに。
Mattが「ここに来ているバンドはみんなだいすきだ、ひとつを除いては」て言ってたひとつって誰か?
2.19.2014
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