7月25日、月曜日の晩、Tohoシネマズ日比谷で見ました。
邦題は『地獄のデス・ポリス』。邦題もポスターもB級アクション感満載で楽しいのだが、内容にはB級っぽい胡散臭さもぶっ飛びすぎたところもない、どこかで起こっていてもおかしくない、ものすごくきちんと作られたアクションスリラーだと思った。
長髪を束ねた胡散臭いTeddy Murretto (Frank Grillo)が盗んだパトカーで逃走していて、それがカジノの近くで壊れたので車を降り、乱闘の混乱のなか新米警官のValerie Young (Alexis Louder)を殴って捕まって刑務所に連れていかれる - 明らかにわざと。
そこからしばらくして、べろべろに酔っ払った男がMurrettoの捨てたパトカーにぶつかって、名前も言えないような状態のまま同じ刑務所に連れていかれて、Murrettoとは別の牢屋に入れられるものの、檻に入ったところで絡んできた別の酔っ払いを叩きのめしてMurrettoと話をはじめる。それが殺し屋のBob Viddick (Gerard Butler)で、なんかこいつらおかしいと思ったValerieがふたりの檻を分けておくのだが、外から風船を抱えた別の殺し屋Anthony Lamb (Toby Huss)が現れて機関銃で中の警官たちを片っ端から殺し始めて、そこにダメな奴って署内でバカにされていた警官Huber (Ryan O'Nan)が加わり、これはやばいと思ったValerieはMurrettoとViddickのいる牢屋セクターに暗証番号を変えて逃げこんで、でもお腹に銃弾を受けて動けなくなる。
Murrettoは闇の仲介屋として州検事総長の買収工作に関わっていて、工作が失敗して検事総長が殺された際、保身のために録音していたテープをFBIに売ろうとしていて、それでマフィアが殺し屋一揃いを送り込んで、ついでに彼の前妻や子供は殺された、と。
押し入ったLambとHuberが牢屋の壁を壊し始めたので、MurrettoもViddickもこっちに鍵を渡せ、時間の問題でどっちみち破られたら全員やられるだろ、ってValerieの説得を始める。殺し屋Viddickも殺し屋Lambも狙いはMurrettoなのだがViddickはLambのクビに賭けられた賞金の件も知っているので、やっぱり自分も出たい。結局ValerieはMurrettoの方に鍵を渡して…
砂漠のまんなかにぽつんとある要塞警察に、そこなら火器もあるし守ってもらえるだろうと飛びこんできた悪漢と、それを狙って飛びこんでくる別の殺し屋たちと、本来であれば酒場とかカジノとか彼らのテリトリー内で繰り広げられるべきバトルがよりによって警察の建物の中で、というおもしろさ。警察のなかでまさかそんなことが、って誰もが思うから救援なんて来ないし、でも警察署内にだっていろいろ歪んだり緩んだりしているところはあるので盤石ではなく、案の定生き残ったのは若い女性警官ひとり - ”Die Hard”シチュエーションだが自分は出血多量で簡単に死にそうなかんじなので、ぜんぜん信用できない悪漢ふたりの申し出をうけて協力せざるを得ない。これはたしかに「地獄」の「デス」「ポリス」としか言いようがない。
Valerieが鍵をMurrettoに渡して、檻から放たれて出ていくMurrettoが”Last Samurai”がどうの、って呟きつつ丸めていた長髪を解いてぎらーんって本性を露わにするとこからまた面白くなって(鍵なんてとっとと渡しちゃえばよかったのに)、どいつもこいつもまったく思い入れできない狂犬同士の殺し合いはどうなるのか、どこで獰猛なGerard Butlerが現れてぼかすかどつきあいを始めてくれるのか。敢えて言うと、流れとしてはわかんなくもなかったが、もっと彼にめちゃくちゃに暴れて壊しまくってほしかったかも。彼の役、最初はLiam Neesonのとこに行ったって。でもLiamだとちょっと違うかなー。
誰と誰がトーナメントのように撃ちあったり火を放ったり殺し合いながら、最後に生き残ってそこから走り去るのは誰なのか、最後の方に割りこんでくる「組織」の大物も含めて、全体の絵姿としてはとってもよいかんじで、あーおもしろかった、でおわる。
これ、大阪のIR案件をネタにガチのやくざ/警察ものとして日本でも誰か撮ってくれないかしらー。当然、宗教法人も政治家も絡んでくるの。昔はこんなのいっぱいあったと思うけど。
8.03.2022
[film] Copshop (2021)
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