15日の午後、渋谷で「罪の手ざわり」を見たあと、渋谷にはびこるバカの手ざわりをしみじみ呪いつつ日本橋に抜けてみました。 こんどはちゃんとしたDolby Atmosだったかも。
「罪の手ざわり」からの流れでいうと、仏教における罪とキリスト教における罪の起源、現代と古代における罪のありよう、とか2本並べてみるとおもしろいはず。 宗教学とかのレポートの課題にできるとおもう。
「ノアの箱舟」伝説の映画化で、(たぶん)ほんとにあったことではなくて、そもそもが荒唐無稽なホラ話(ごめんね、神様)みたいなやつだからなにをどう描いたってよかったはず、なのだが、これはこれでとっても真面目なドラマになっている。
誰もが想像するであろうディザスタースペクタクル史劇、ていう要素は薄くて、それらは雨でも降るように自然に起こってしまい、そんなありえない事態に直面したときの内面の葛藤、家族内の諍いと決着を具体的に描く、という点では同監督の"The Wrestler" (2008)や”Black Swan” (2010)と並べてもそんなに違和感はないかんじ。
Russell CroweがNoahで、最初にできた人間からの何代目かで、この世の中は腐っちゃったので洪水起こして一回初期化するから、ってお告げを受けて、そこらでごろごろしていたThe Watchersていう岩のお化けみたいな連中(元は光の精だったんだってさ)に箱舟を作ってもらうの。Noahには妻(Jennifer Connelly)と息子3人と拾った女の子(Emma Watson)と困ったときに助けてくれる万能のおじいちゃん(Anthony Hopkins)とかがいる。 あと、悪い人間の代表にはカインの末裔とかがいるの。
こういうふうに家族ドラマの基本様式みたいのはそれなりにあるから、少子化とか次男の嫁問題とか微妙に身近で切実なトピックもいろいろでてくるし、動物たちがどかどか箱舟に押し寄せてきたあとの騒音とか消臭とかそういうのもパパはなんとかしてくれる(眠らせちゃえばいい、ってまず人間が寝ればいいんだよ)。
誘惑から始まったひとの罪(て最初にはっきり言われる)が蔓延してどうしようもなくなったので少数限定のスペシャルパッケージを作ってそこから逃れてみたものの、やっぱし完全浄化は無理みたいです神様どうしましょう? て言ってみても誰も応えてはくれなくて、そこで神様にケツまくるのではなく眉間にシワよせて考えこんでしまうのがRussell CroweでありDarren Aronofskyなのだろうね。
箱舟に大挙してなだれこんでくる動物たち、楽しいけどペンギンとか飛べない鳥は、川魚は、植物はどうするの? とか、いろいろ考えてしまう。
多様性とかゆっても結局のとこシングルオリジンのツリーなのよねキリスト教。
箱舟モノとしてのリアルとかおもしろさとかでいうと、”Oblivion” (2013)あたりのが思い切っててよいかも。
ラストに流れるのはPatti Smithの新曲らしいのだが、別に”Land”をそのまま流したってよかったのに。
6.22.2014
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。