14日土曜日の昼間、やっと晴れたねえ、と六本木で見ました。
英語題は、”Girlfriend Boyfriend”。
夏のはじめの青春映画、てかんじ。 見るなら今だよ。
冒頭、スカートいやだ短パンを!て、中学で抗議のダンスをして弾けている女の子たちが出てきて、その扇動者らしき双子の保護者が学校に呼ばれて、戸籍上は兄だけど彼女達の父なんです、とかわけのわからないことをいうその男は、据わった目で事情を語り始める。
85年、戒厳令下の台湾の高校には軍人教師がいて思想統制が厳しくて、忠良(張孝全)と美宝(桂綸鎂)は幼馴染で彼と彼女で、もうひとり、心仁(鳳小岳)がいて、心仁は美宝が好きで、3人は学校側をおちょくって騒いだり夜店で発禁思想誌を売ったり、輝ける青春の日々なの。
そこから90年の台北、民主化運動が激しい大学で、忠良と心仁はアパートで同居してて、美宝はジムでインストラクターをしてて、美宝と心仁は既に恋人同士だけど、いろんなことがあって、そこから更に97年に飛んで。 書くのは大変だし読めばつまんなくなるので、まず映画をみませう。
それぞれの想いを抱えていた3人の、入りくんでこんがらがった12年、そこから更に2012年までの27年を、笑顔も涙も光も闇もきれいに丁寧にその軌跡を追っかけて、爽やかに泣かせてくれる。
青春もいっぱいあるけど、これはやはり愛を描いた映画で、それって過去の記憶を慈しみ、溺れて泣き濡れる系のではなく、報われなかったあのときの自分にそっと光をあてて掬いあげてみせる。なにかが間違っていたのかいなかったのか、それはどうすることもできなかった。 その苦さを現在に抱き寄せること、そこで始めて過去は揺るがない、消えないなにかではなく、現在と共に呼吸するなにか、共に生きる、現在の愛として抱きしめるなにかになるのだと。 だから愛は永遠なのだし、我々はこうして正気を保っていられる。
たぶんひとによってそれぞれ永遠のモーメントはあることでしょうが、あの夜のプールのシーンはずるいや、あんなのずるいったらずるい。
あと、台湾という国との確執、ていうテーマも裏にはある。彼らがずっと闘い続けた国家権力、愛に勝ち負けなんてないけれど、でも。 そこから更にセクシュアリティの問題もね(3人の他に、いつも陽気なオカマのあんちゃんがいて彼の位置とか)。 そこに80年代から90年代への意識の変遷を重ねてみよう。 見えてくるもの以上に裾野は広くて深いよ。
音楽はちょっとべたべただったけど、これはアジア映画ではそういうもん、と思えば。
3人の俳優さんはみんな素敵だったが、美宝役の桂綸鎂さんは特にすばらしいとおもった。
それにしても。 週末はなんでこうも簡単にいってしまうのか。
6.15.2014
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