21日、「悪の神々」に続けて渋谷で見ました。 「リオ・ダス・モルテス」。
カラー作品だったのでちょっとびっくりする。(なんでだろ)
冒頭、黒のランジェリーいっちょうで電話しているハンナ・シグラのショットだけで十分なかんじ。
ついへらへらと吸い寄せられて気づいたら。
ハンナ(ハンナ・シグラ)とミシェル(でっかい。金髪の長髪)は恋人同士で、ミシェルはかつて喧嘩別れしていたギュンター(でっかい。アフロの短髪)と再会して、つまんねーからペルーでも行こうぜ、とかいう話になって、行ってなにするとかなにしたい、とかいうのなしに、じゃあ資金調達しなきゃ、みたいなところで盛りあがって、でも実の伴った話ではないからお金はまったく集まらなくて、でも突然お金が落ちてきたのでふたりして空港に向かう。 怒り狂ったハンナは拳銃を手にとって。 ていう男ふたりと女ひとりの青春映画。
お話はあれこれ行き場のない若者たちが犯罪ではなく国外逃亡を企てる、というだけで、かんじは「悪の神々」に似ていないこともない。 無駄話とかあーなんかつまんねー、ていう嘆息がベースにあるの。爽やかじゃない、けどダウナーでもない。
で、その若者たちとその周りを演じるのがアンチテアターの面々で、後のファスビンダー映画の常連になる連中が顔見世のようにちょこちょこ出てくるのがたのしい。 “X-Men: First Class”みたいなかんじか(70年代だし)。
ハンナ・シグラとファスビンダーが酒場で向いあって「監獄ロック」で踊るところは、伝説と呼ぶにふさわしいものだった。いっちゃっている、ていうより、ふたりのテンションのギャップ、というよか生物動物のレベルで計り知れない段差のようなものが既にあり、でもなんかパ・ド・ドゥとしては成立していて、カメラはまったく動かないのにこういったことがしらじら曝されてしまう。
ランジェリーのハンナ・シグラに拳銃のハンナ・シグラ、合間に踊るハンナ・シグラ。
結局ハンナ・シグラの映画だったのかも。
関係ありませんが、Greenpointのレコード店、Academy Annexの店猫、Tiggerさんが亡くなられたと。
店内でどんな変てこサイケがかかっても、大音量のメタルやノイズがかかっても、全く動じない気高さ崇高さを湛えたすばらしい猫さんでした。最後に会ったときは7inchの紙箱の角で頭を擦っていて元気そうだったのに。
ご冥福をお祈りします。
6.28.2014
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