9.19.2011

[log] Sept 17, 2011 (2)

ロンドンにおります。 例によってくたくた。
行きの機内でみたのはー

- Fast Five。 なんとかメガマックスとかいうへんな邦題でもうじき公開されるやつ。
ブラジルで、車つかって強盗するおはなし(だよね?)。 このシリーズのを見たことないのでなにが速い5人、なんだか最後までわからず。 
速いのは車だけのようで、筋の展開はおっそろしくとろい。
よかったのはVin DieselとDwayne Johnsonがぼかすかやりあうとこと、でっかい金庫を2台の車で引き摺りまわして街中ぐじゃぐじゃにぶっこわすとこ、かなあ。

- 『単身男女』 - ジョニー・トーの新作。 ウォン・カーウァイとの共同プロデュース。 なんとラブコメ。
『文雀』系の軽めのやつかと思ったが、あれよりも遙かに穏やかでほわほわした、ほんもんのラブコメよ。 
流れる血ときたらすけべ男の鼻血とカエル ... くらいよ。

7年間同棲していた彼に女と子供まで作られて逃げられて、男の遺したフィギュアだのカエルだのの間でどんより暮らしていたOLのところにふたりの男が現れて、じりじり言い寄ってくるの。

ひとりは隣のビルの投資会社のトップで金持ちで尻軽で、リーマンショックで会社が潰れたあとで、彼女の会社に入って強引に上司になるの。 もうひとりは落ちぶれて飲んだくれた建築家で、でもこいつは彼女と出会ってから人生に目覚めて、彼女のことを一途に何年も想い続けるの。

女のほうもとっとと決めちまえばいいものを、それぞれのアプローチにいちいちうるうるしたりするもんだから、ちっとも決着つきやしない。 
そう、ようく見てみると、これは間違いないジョニー・トーの新作なの。撃たれても撃たれてもなかなか死なない(死ねない)主人公とおなじように、SMとしか言いようのない濃厚さで右に左に容赦なく鞭が打たれ、じりじり決着がつかないままラストになだれこんでいく。 
最後のトライアングルなんて全員の頭上にバズーガが見えたわよ。

そしてこれは、ウォン・カーウァイの新作でもあるのね。
決着つくまで延々校庭走ってろ、みたいな。

食べ物は、今回はムール貝だった。
それにしても、あのカエル(生)かわいすぎ。 ほしい。

あとは、"Super8" をとばしとばし、と”Midnight in Paris”をとばしとばし。
とにかく眠くてさあ、今回はとくに。


そういえば、前回の訪米の機内で見た映画書くの忘れてた。 いちおうざーっと書いておこう。

- How do you know?  (2010)

James L. Brooksによるラブコメ。 なんかよくわからなくて、行きと帰りで2回みた。
Reese Witherspoonが女子ソフトボールの全米代表メンバーから外されて先を見失ってしまった女子で、Owen Wilsonが彼女に寄っていくMLBのスターでへらへらいつものOwenで、Paul Ruddが父親(Jack Nicholson)の尻拭いで起訴されて全てを失うことになった若いエグゼクティブで、これまで積み上げてきたキャリアが総崩れして途方にくれているReeseとPaulが、どうやって出会うことができるのか、こんなふたりに恋愛はありうるのか、という-。

ふたりとも、ポストイットに格言だの箴言だの書いて冷蔵庫とか洗面台とかにべたべた貼って(いるよねー)、それをぎっちりフォローして自分とか周囲を律してがんばってきたのに、そういうのがぜんぶちゃらになってしまったとき、どうやってひとはひとを愛したり、「本当のじぶん」(げろげろ)を見つけてもらったりできるのか? みたいなのがテーマなのね、たぶん。

自己啓発とかセラピーとかが好きなアメリカ人も、こうやって見るとあれこれ面倒でやっかいだねえ、とかしみじみ思うのだったが、この面倒くささをラブコメの文脈できちんと出してみよう、とがんばってみたのは、えらいなあ、って。 (でも映画としてはあたんなかったんだよね、たしか)

で、Reese WitherspoonとPaul Ruddって、こういうのをきちんと演じられる稀有な人材だよねえ、そして、Owen Wilsonは、どこまでいってもOwenなんだねえ、って。

- Limitless (2011)

Bradley Cooperがぼろぼろの作家で、たまたま会ったex-義弟にあやしい薬を貰って飲んでみたらあーら不思議、脳の能力が100%引きだされて活性化されて、本はばりばり書けるは、昔習った語学だのなんだのは蘇るわ、喧嘩に巻き込まれてもカンフー映画で見たいろんな技が脳内再生されて相手を倒すことができるわ、万事快調になっちゃうの。
Hangoverの逆、というか。

でも薬がきれると副作用がげろげろなので、なんとか薬を手に入れねば、とあがくのと、同じように薬を狙う連中がいたりするのとで、ごたごたするの。

ごくふつうのB級、なのだが、絶体絶命になった主人公が取った行動がなかなかすごくて、そこまでやるか、そんなにまでして生きたいか、みたいな、変なとこに感心したのだった。 

- "Ha ha ha" (2010)   ホン・サンスの新作。
カナダに移住することになった男ふたり(あ、片方だけだったか?)が、酒を飲みながら昨年の夏、韓国のどっかの土地を旅行したときの話をかわりばんこにしていくの。 こんなことがあってさー、みたいに。
そのふたりの酔っぱらいながらのぐだぐだ話しを交互に映像で綴っていくだけなのだが、そこで語られるふたりの周りの人たちは恋人とかも含めて、実はものすごく近いところで交錯しておりました(でもふたりは最後まで気づかないの)とさ、おもしろいねえ、SNSだねえ、というそれだけの話。 格言にも教訓にも落ちていかない、単なる酔っぱらい話でしかないのだが、でもなんでおもしろいのかねえ。

すっとぼけたかんじがいつものホン・サンスなんざんすが、このおもしろさを説明するのはなかなかめんどくさいので、しない。 でもおもしろいんだよね。  

- "The Notebook" (2004)   -  きみによむものがたり、だっけ?

映画のクライマックスのどしゃぶりシーンが、最近しょーもないアテレコされて米国の携帯のCMに使われてて、久々に見返してみたくなったの。

"Blue Valentine"(2010) のRyan Goslingは、この映画の彼が現代に生まれ変わったやつなのかも、っておもった。  あと、Rachel McAdamsは、どうがんばってもGena Rowlands にはなれないのではないか、とか。

えーと、あとなんかあったか。

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