9.20.2011

[film] Black Jack (1979)

先に1本書いてしまいましたが、18日の日曜日は、久々のお休みらしいお休みになった、気がした。
映画2本、ギャラリー3つ、レコード屋1軒、ライブ1箱。

”Tinker Tailor...” の前に30分くらい開いていたので、映画館の近所にあったNational Portrait Galleryで、"Glamour of the Gods:  Hollywood portrait" というのを見る。

http://www.npg.org.uk/glamour/index.htm

John Kobal Foundationていうとこがアーカイブしているハリウッドの20年代~60年代までのポートレイトを並べたもの。 有名なのばっかりでしたが、しっとりゴージャスで、堂々としたプリントばかりで、溜息しかでない。
モンローはフルヌード、キャロル・ロンバードはセミヌードだった。
おもしろかったのが、修正(Retouch)はこうやるの、ていう実例展示があって、なるほどねえー、と。
今のデジタルの修正よか、露骨ですごいかも。 でもきれいになるならいいよね。

”Tinker Tailor...” の後は、Rough Trade Shopの東のほうに行って、ざーっと漁った。
けどあんまなかった。 買ったのは7inchを4枚だけ。 TindersticksとかScreaming Jay Hawkinsの"I put a spell..."の別テイクとか、そんなの...

Rough Trade Shopの反対側のスペースで、Nirvanaの"Nevermind" Deluxe版リリース記念、と思われる展示をやってた。 当時のポスターとかちらしとかチケットとか雑誌とか、本物かしらんがドラムキットとか、奥ではライブフィルムの上映もやっていたもよう。 ふんふん、てかんじ。

そのあとで、Southbankに向かう。
今回、ガイドブックとか地図とか持ってくるのを忘れてしまっていて(うん、仕事だしな)、割と好きに動き回れるとしたら、Rough Tradeの東と西のあるあたりか、Southbankくらいなのだなあ、と改めておもったのだった。

晩のライブのチケットを買って、そのあとでBFI。
Ken Loachの回顧上映をずっとやっていて、でもKen Loachはじつは見たことなくて(たぶん)、せっかくイギリスにいるのだし、ということで見ることにしたのがこの作品。

つぎはぎ医者のおはなし、ではなくて。
カンフーパンダの声優、でもなくて。
Leon Garfieldていう英国の児童文学作家の原作をローチ自身が脚色したもの。

18世紀の英国のどこかの村で、でっかくて臭くて悪そうなひとが絞首刑にかけられようとしてて、こいつがBlack Jackらしいのだが、最初のナレーションからして、なに言ってるのかほとんどわからず。
でもこういう、エィとかオィとか、そういうのたくり英語のごにょごにょした物いいがすごく好きなの、むかしから。なんでかわからんが。

で、そのBlack Jackの棺桶がある家に運ばれるのだが、彼はじつは生きてて、そこで見張りをしてたガキ(少しは怖がれよ)を連れて旅にでるの。なんでかわからんが。

その途中で、頭がおかしいという理由で家族から疎まれて矯正院かどこかに送られるとこだった女の子を拾って、市をまわっていく旅芸人の一座に合流して、みんなでわあわあ旅をしていくの。

子供たちはイギリスのガキなので、そんなにかわいくもなくて薄汚れてて、大男Black Jackもそんなに悪でもそんなに善でもなくて、つまりそんな勧善懲悪してなくて、でもよいこは、よいこにしてればなんとかなるから、子供は放っておいても育つもんよ、どこに行くのかしらんが、程度の適当で朗らかなかんじがよかった。

あと、頭のおかしい(実はあとでおかしくなかったことがわかる)女の子が夜中に男の子のとこにきて「あたしのことずっとあいしてくれる?」てじーっと訊くところがすごくいかった。

音楽は、British FolkバンドのMr.FoxにいたBob Peggさんで、ぴーひゃらどかどか系の民謡がずうっと鳴ってて、これもとっても素敵でしたわ。

で、映画終わってからBFIの売店でちょっとだけ本と雑誌買って、ここの上のHayward Galleryがまだ開いていたのでなかで、"John Cage: Every Day is a Good Day" ていうFreeの展示をみた。

John CageのDrawingを集めて展示してて、当然彼の音楽もいろんなのがずうっと鳴ってる。
John Cageなので、圧倒的、というわけでも胸にせまってくるわけでもなくて、きのことかその胞子とかのように散らばって散らしてそこにある、だけの線と点と面の ー。 そして音楽も同様、と。


変なアメリカ人による変な音楽。 それはこのすぐ後にもきた。

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