8.18.2012

[film] A Letter to Three Wives (1949)

8日の晩、2本立ての2本目。 『三人の妻への手紙』
これも何回か見ていて、でも何度でも見たいすてきな映画なの。
先月亡くなられたCeleste Holmさん(Addieの声のひと)の追悼でもあるの。

元の原作は5人の妻への手紙で、映画化の段階で4人の妻になって、長過ぎるから、と最終的に3人になったのだと。

NYのアッパーステイト(明確には語られないが、どうみても)で、ハイソで満ち足りた生活を送る妻友3人組が地元の子供会の付き添いでそろって遠出しようとしたとこに、Addieから手紙が届いて「あなた達の夫のひとりと今晩駆け落ちするわ」て言うの。

Addieは美人でおしゃれで頭がよくて気もきいてて、3人にとっても憧れの(かつちょっと妬ましい)存在なのだが、そんな彼女に突然そんなこと言われて「そんなバカな、うちに限って」と思うのだが、朝の夫の挙動とかを思い起こすと、あれ? そういえば… ひょっとしたら… とかみんな思いはじめる。

で、3人はそれぞれ遠出先でぼーっとしながら、そういえばあんなこともこんなこともあったしなー、と回想の渦に巻き込まれていく。

回想されるエピソードでは、一見うまくいっているように見える夫婦関係も実はそんなでもない、とか、夫もAddieのことは大好きみたいだし、でもそんなの制御できないし、とか当たり前のことが妻の側からぶつぶつ出てくるのだが、だからといってどうなるもんでもない。

さて、Addieが最後に連れていっちゃったのは ... 

とにかくー、いちいちの会話がとんでもなく洗練されててかっこよくてドラマみたいで(ドラマだけど)、でもドラマ的な、劇的な展開を巧妙に避けて、登場人物の考えかたとか輪郭を、最後まで姿を現さないAddieの影を通して浮かび上がらせることにのみ注力している。 うまいなー、って。
これ見ちゃうと、世にある結婚・夫婦ドラマの会話のほとんどがジャンクな陳腐な湿疹ものに見えてしょうがなくなるの。

でも、あのラストは、なんかあれじゃわかんないじゃん?  ていつ見ても思うの。
んで、そこもまた粋なんだよねえ。

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