まだ先週金曜日(3日)だす。
この日公開になる映画のうち、なんとか時間を調整して見るべし、と思っていたのが2本あって、ひとつがこれと、もうひとつがMike MIllsの"Beginners"だった。
のだが、もう1本、やっぱしこれは見ないと、というのが突然横から出てきたので、Mike Millsのは諦める。 彼のは日本でやってくれるかもだし。
自身も俳優で、Vampire WeekendなんかのPVとかも撮っている英国人の映画監督デビュー作。 どっかのレビューでWes Anderson + Hal Ashbyとあったが、うん、おおざっぱにはそんなかんじかも。
映画のポスターで正面を向いて堅い顔している男の子が主人公のOliver君15歳で、いつも紺のダッフル着てて、地味でぱっとしてなくて、家族にもなんかうんざりで、そんな彼が同じがっこの女の子、Jordanaさんを好きになるの。
彼女はいっつも赤着てて、ぶーっと仏頂面で、無口で、このふたりをまんなかに置いて、前と後ろに(ウェールズの?)海とか海岸線を持ってきただけで、それだけでいいの。
それだけで、不治の病とか自殺とかいじめとかトラウマとか、そんなの持ってこなくたって、彼の途方に暮れた表情と、彼女の不機嫌な眼差しがあるだけで、青春映画としてじゅうぶん達成されてしまうなにかがあるの。 それでいいや、て思ってしまうの。 年寄りはとくに。
最近(でもないか)だと、"Garden State" (2004)とか"The Squid and the Whale" (2005)にもあった、小声で下向いて「こんな世界なくなっちゃえ」ていうつぶやきで世界をじっとり埋めつくすあれ、とか、"Greenberg" (2010)の、もやもやもんもんした雲のなかにある世界のあれ、とか。
(そういえば、Ben Stillerは本作のExecutive Producerで、いっしゅん出てくる)
トリュフォーのドワネルものとは、ちょっとちがうかなあ。
たまにHDで撮ったみたいなぎざぎざしたとこが癇に障って、ああこれがちゃんとしたフィルムだったらー、とか思わないでもないが、贅沢いわない。
音楽は北極猿のAlex Turnerくんで、もっとちゃらちゃらしたかんじかと思ったらものすごく地味にしっとりしててよいかんじだった。
帰りにOther Musicで、これのサントラ - 10inchのアナログを買おうかどうしようか悩んで、結局やめちゃった。
6.10.2011
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