"The Tree of Life"のあとで、ホテルに戻って部屋に荷物をひきこんだらもう5時くらいで、すっかり会社に行く気をなくしてしまったので、もう1本みることにして、再びダウンタウンに戻って、Angelikaでみました。
見れるうちに見ておかないとなにが起こるかわからないし。
Woody Allenによるパリ。
彼の描いたイギリスやスペインとは、やはりぜんぜんちがう。 でもAllen、ではあった。
主人公達がOwen Wilson (とRachel McAdams)だからか、それはそれはそれは軽くて楽しいの。
Owen Wilson(Writerをやってる)扮するGilとRachel McAdamsが婚約中のカップルで、彼女の両親と一緒にパリに来ていて、いろんなことにうんざりしてきた頃、ある晩に酔っぱらってひとり街角に座っていたら深夜の12時にどこからか車が現れて、乗れっていうから乗ったら酒場に連れていかれて、そしたらそこでCole Porterが演奏してて、ZeldaとScottのFitzgeraldに会うの。
そこはなんでか、20年代のパリでした、と。 落語だよね。
アメリカ人にとっての憧れの20年代のパリに現代のアメリカ人が迷いこんだら... というそれだけのお話しで、数晩にわたって通っていくうちに、Hemingwayと会って、Picassoと会って、Gertrude Steinと会って、Alice B. Toklasと会って、Man Rayと会って、Salvador Daliと会って、Luis Buñuelと会って、Josephine Bakerがいて、T.S. Eliotがいて、Matisseがいて、Toulouse-Lautrecがいて、Gauguinがいて、Degasがいて、もうなんでも出てくる。
動物図鑑じゃあるまいしそんないっぺんに出るもんか、とか思うものの、なにしろOwen Wilsonだもんだから、いちいちリアクションがおもしろくて、たのしい。
いろいろ文句はあるのかも知れないけど、みんなそれぞれ味があってよくて、特にAdrien BrodyのDaliとKathy BatesのGertrude Steinはよかったかも。 Zeldaを演じているのは"Scott Pilgrim"でドラマーをやっていた彼女で、そこだけちょっとうーん、だったかも。
でも、ほんとたのしいよね。 客席もいちいちわあわあどよめいていた。
映画絡みだと、GilがBuñuelに対して、きみはそのうちこんな映画つくったらいいんじゃないかなあ、ていうの。 その映画というのはねー。
あとは、実際にいた人物かどうかはしらんが、Marion Cotillard演じるPicassoの愛人- Adrianaが出てきて、そんな彼女は20年代ではなくて19世紀末、ベルエポックの頃のパリに憧れていたりする。 そんな憧れが吹き溜まる場所として描かれる、画家たち(とそのイメージ)によって永遠に保存されているパリ。
マリッジブルーに陥った男が20年代のパリに逃避したくなっただけ、のおはなし、或いはAllenがいっつも描く、ここではないどこか(含.天国とか地獄)、を求めて悶々逡巡してばかりの小噺、にちがいないのだが、それはそれでいいのよ。 Owen Wilson全開だし。
どうでもよいことだが、Rachel McAdamsの上腕のたぷたぷにはちょっとびっくりした。
Owen Wilsonはあれがこわくなったのではないか。
日本でもまちがいなく公開されることでしょうが、その前にこれのひとつ前の"You Will Meet a Tall Dark Stranger" (2010)もぜったい。 おもしろいから。
6.04.2011
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