4.04.2021

[film] Godzilla vs. Kong (2021)

4月1日、木曜日の晩、SkyのPremium (TV)で見ました。
本来であれば劇場で大音量に震えて浴びるように見たい作品なのだが、ロンドンでは映画館はまだオープンしていない。だからと言ってそれまで待つかというと、そんなの我慢できるわけもない。

ロックダウンでいちばんつまんなくて腐りきっていた時期に登場したこれの予告編はそれだけで万歳〜のやつで、何度も何度も見た。 彼らのバトルはパンデミックを彼方に吹っ飛ばしてくれるように思えた。もちろん吹っ飛んでくれないので、マスクはしよう。

以下、いろいろてきとーに書いていきますが、知りたくない人は読まないほうがよいと思います。

映画としてはGareth Edwardsの”Godzilla” (2014)とその続き - Michael Doughertyの”Godzilla: King of the Monsters” (2018)と、Jordan Vogt-Robertsの”Kong: Skull Island” (2017)から繋がるもので、”Godzilla: King of the Monsters”が1965年の東宝作品とはまったく関係なかったように、今度のも1962年の東宝作品とは関係ない。

Skull IslandでDr. Ilene Andrews (Rebecca Hall)や耳の聞こえない少女Jia (Kaylee Hottle)と静かに平和に暮らしているかに見えるコングだったが、彼のいるところは人工のドームで覆われたジュラシックパークのようなところで、なぜそうしているのかというとゴジラが寄ってきて喧嘩を売りにくるからだという。

アメリカにあるApex Cybernetics社がゴジラの襲撃を受けて、それってゴジラの行動としてはおかしいし、とその会社の謎を追っていた陰謀論にはまっているえせジャーナリストのBernie (Brian Tyree Henry)と前作からのMadison (Millie Bobby Brown)と彼女の友人ナードのJosh (Julian Dennison)がなにかあるぞ、って破壊された同社の跡地に潜入して調べ始める。

Apex社から依頼を受けた地質学者のNathan (Alexander Skarsgård)は、一度諦めていた計画 - 南極の地下にあるHollow Earthに眠る巨大なエネルギーを探るべく、コングを船に縛りつけて南極に向かう(IleneとJiaも一緒)のだが、それを嗅ぎつけたゴジラが現れて最初のバトルがあって、でもその後の地底探検でHollow Earthとエネルギーは見つけることができる。

破壊されたApex社の地下からは怪しげな荷物がいっぱい運び出されていて、それはどこに行くのかしら?ってBernieとMadisonとJoshが出発寸前の乗り物に飛び乗ると、トロンみたいなトンネルをびゅんびゅん抜けて香港のApex社にダイレクトで行ってしまい、そこでテスト中のメガゴジラ(メカゴジラじゃないの。ロボゴジラ? いや.. これは「メガ」ゴジラだ! ってださい)を見てびっくりするのだが、こいつはパワーが切れてすぐ止まってしまうので、膨大なエネルギーが必要だ、って足の下の南極をみると、なんとかエネルギーの採取に成功したNathanたちがHollow Earthの穴経由で送ってくれて、更にはApexを追って香港に現れたゴジラがその穴に向かって放射能を噴いてコングを煽るので、コングとNathanとIleneとJiaは穴を抜けて香港にやってくる。

こうして香港に来ても懲りない戦いを繰り広げるゴジラとコングなのだが、その脇でApex社はメガゴジラを本格的に起動させて、それはPacific Rimみたいなロボットではなくて、”Godzilla: King of the Monsters”の最後にサルベージされたキングギドラの首とも繋がっていて…    

というわけで、コングの住処はJurassic Parkだし、メガゴジラはTransformersのようだし、青く光る杖はMCUのTesseractだし、Madisonのチームはまるで”Stranger Things”だし、手話でコングと会話をするJiaはディズニーのキャラクターのようだし、ぜんたいとしては地底探検なども含めて、これまでのB級SF映画のいろんなのを寄せ集めて、そのなかで怪獣たちをどかすか戦わせている(だけの)ような。 子供は喜ぶ.. かも。

2014年のGareth Edwards版がそのダークな雰囲気も含めてとっても大好きで、前作の”Godzilla: King of the Monsters”は人間が怪獣をコントロールするというテーマをそれなりに掘り下げていたのは悪くなかったと思うのだが、今度のは思いっきり噛みつき引っ掻き殴り合うバトルの方に振り切っていて、香港の街のセットとか、メガゴジラの登場シーンとか、子供の頃にいっぱい見てきた怪獣特撮もののあの感覚にとても近い(意識的に寄せてる?)。それでおお!ってなる大人も多いかもしれないが、いいのだろうか…  この辺は日本公開後にその筋の方々にうかがいたいところ。

あと、Apex社が、その名が思い起こさせるあの会社のことも含めてあまりにバカっぽくてださくて。いまの時代ならメガじゃなくてせめてギガとかテラだろ、とか、そこのCTOだという小栗旬は”Big Trouble in Little China” (1986)の電撃の人みたいになっちゃうし、他にはパスワードロックされて絶体絶命になったら水をかける、とか… 小栗旬の役名が芹沢なので、前作の彼となにか関係あるかと思ったけどなんの言及もないし。

人間にとって怪獣とはなんであるのか、というのを考えさせるのがよい怪獣映画だと思うのだが、怪獣を複数登場させること(だってひとりじゃないだろ)で、どうしても動物としての種の間の闘争 - バトルみたいなところに向かってしまうのがきつい。このコースはもう見てきているので、間に合っているんだけどー。そのエコシステムを破壊しているのは人間である、って何千回言えば気が済むのか。

あと、香港の街があれだけ破壊されて数千数万の規模で死傷者が出ていると思われるのに中国国軍は一切登場しない。ここはわざとそうしているのだとしても、やはりあんまし笑えない。

あと、”Godzilla: King of the Monsters”の悪漢Charles Dance はどこにいった? とか、香港なのになんで、Dr. Ling (Zhang Ziyi)は出てこないんだよう、とかも。

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