4.24.2011

[film] The Wild Bunch (1969)

あいかわらずどんづまりの日々でございまして、とにかく見てる時間も聴いてる時間も書いている時間もないー。

『午前十時の映画祭』という、ラインナップを見てもほとんどぜんぜんそそられない、クラシック映画と年寄りを社会の隅に寄せようとする許せない企画が午前十時だけではなくて一日やっていて、4/10にみゆき座で『ワイルドバンチ』がかかっていたのでなんとなく見ました。
子供の頃に一回みて、何年か前の爆音でやったのも見逃してて、もう一度見たかったの。

さいきんの、タランティーノやジョニー・トーを通過した後でもう一回みたらどんなふうに見えるのかしら、とか。

結論からいうと、これはこれだよね、って。あたりまえの。
どんぱちで血まみれがあってひとがいっぱい死ぬとこは同じだけど、ここにタランティーノの緻密さ周到さはないし、ジョニー・トーの底知れぬ闇みたいのはない。

ラフで軽くてガレージのカセット一発撮りでがんがん撮って、ざくざく繋いで一丁あがり、みたいな勢いと、酔っぱらいのしみじみした絶望と厭世観が同居してて、とっ散らかってて、いつまでもだらだら見ていられるなあ、って。

かつての囚人仲間同士、インディアン、メキシコ、これらの間で伝染・伝播していく「内戦」、そして当時あったベトナムにおける「外戦」、いつの時代にも、どこの場所でもはっきりと存在した悪、暴力、野蛮さを内から外への「告発」という形ではなく仲間や家族、集落のあいだの不可逆な「絵巻」として、血の赤で染めあげ、崩れ落ちるひとの姿を焼き付けようとした。

このイメージを前に前に押しだそうとする強さと、終ってしらじらと、ゴミしか残らない潔さはペキンパーのものとしか言いようがなくて、それはシネフィルみたいな人たちがこのひとについてわあわあ言うのとは別のところでいいなあ、と思ったのだった。

あと、死にかたとしてはやっぱこれかも。(除. エンジェル)

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